情報

生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)

生の短さについて 他2篇 (岩波文庫)

出版社 岩波書店
著者 セネカ
発売日 2010-03-17

この本に関する書評

書評は登録されていません。
この本について書かれているページがありましたら、ご自由に登録して下さい。

Amazonレビュー

自然体に有意義に生きるための指南の言葉。

友人知人へ送った手紙の内容で、はるか昔に書かれたものなのに
現代の私たちにとって生生しく伝わる内容であって、
理想を強く語った哲学書と違い人間としての性をよく理解して、
自然にあるままの姿、あるべき姿を捉えようと努めるところから、
自分たちがきづくべきこと、意識すべきことやなすべきことを
訥々と語る口に、無理のない生活感があって人間くささを感じる。
たとえば「坂の上の雲」の登場人物に感じるような先人達への身近な感覚がある。

限られた人生を大切に考えているところでは、
当時でも決して時間がゆっくり流れていたわけではないのだなと
安心して親近感を感じるし、徳を最上位に置き、自らを戒めて
しかし自然体で努力しようとする思想には、儒と通じるところを感じる。
「賢者は現在のことに喜んで生き、将来のことに不安がない」といった
ような節では、GTDのエッセンスに近いものもある。
自分にとって大切な言葉が多く、何度も読み返す一冊。
 本書の解説に、セネカが皇帝ネロに自殺を命じられ、平然と死んでいった様子が載っている。その死に様は、まさに彼が真理に仕えていたことの証明だろう。自分が今すぐにも死ぬ可能性があることは、誰もが知っている。しかし、皆自分が死なないかのように生活している。『人生の短さについて』は、このような我々をまどろみから覚ますことのできる名文である。
時間を無駄に過ごすと、
人生は短く感じられるもの

無駄に過ごしている人には、
いくら時間があっても足りない

自分のために時間を使え

時間は有限ではない

そのようなことを具体的な人物の例をあげて紹介し、
時間について思考を深めてくれます。
おべっかを使って、再び政務に返り咲いたキャリアがなければ星4つなんですが…
そこに人間臭さがある。そこには、彼への失望も感じるし、綺麗事に終始しない人間が
どこまで綺麗事を実践するか?そのせめぎ合いが見え隠れもする。でも、やっぱりおべっか
を使って欲しくなかったなぁ…
内容であるが、面白い事に『菜根譚』と共通する所が多かったように思える。他の方も
書いているが、「足るを知る」事の大切さなどが様々な語り口で主張されていた。
(ちなみに「足るを知る」の言葉自体は孔子の言葉だそうだ)
何でもサプリメントを「沢山」飲むより、抱えるストレスや欲を「減らして」みないか?
みたいな考え方を感じ取れると面白いと思う。
文章はかなり読みにくい。すらすら読みにくかった感があります。
表題他二編、合計三編が収録されてます。

「人のために時間を切り売りするな。有限な人生を自分のために使え」
表題作でセネカは一貫してそう主張するのですが、これ、2000年近く前に書かれたものだそうで。すごいね。
「俺は一体何をしているんだ」とか日頃思ってる人は、本書を紐解いてみるといいかもしれません。力強いセネカの言葉達が、なにか刺激を与えてくれるかも。
セネカの言うように、時間こそ万人に平等に与えられた資源。大事に使わないといけないのは重々分かってるつもりなんですが、気がつくともうすぐ僕も二十台半ばです。やれやれ。
古の時から、人間って何にも変わってないのねって思える本です。