書評リンク

書評を書籍ごとに紹介していきます。

アフリカのいまを知ろう (岩波ジュニア新書)

出版社 岩波書店
著者 山田 肖子
出版日 2008-03
書評
書評リンクはまだありません。
この本について書かれているページがありましたら、ご自由に登録して下さい。
Amazonレビュー
世の中実に広い
アフリカの今について、政治、経済、援助から、音楽、はたまた秘密結社(!)まで実に多様なテーマを追い続ける研究者の研究が紹介されていて、世の中ってのはほんとに広くていろんな生き方や考え方がある、ということを教えてくれる。こういう意見もあるし、こういう意見もある、という議論の提示の仕方にも好感を持った。議論されているテーマはどれも根源的で次元が高く、多分に価値観や立ち場によって「正解」が変わりうるテーマばかりなので、 一つの考えを押し付けられるのではなくいろいろな考え方が示されいることをありがたいと思った。
アフリカが深く知れます
岩波ジュニア新書の本です。
11人のアフリカ関係者とのインタビューを通して話した内容をまとめている一冊です。
扱っている分野が幅広く内容も多岐に渡ります。
なので誰が読んでもある程度興味がある分野の章は面白く読めると思います。

ただ、インタビューされている学者が他の学者を意識してか編集の時に書き換えたのか知りませんが必要以上にリンクさせて相手を持ち上げているような気が少ししました。
個人的には紛争・平和構築と「外部者」、ろう者と手話、アフリカと経済などが面白かったです。内容も比較的平易に書いており読みやすくよいと思います。
今から伸びる多国籍大陸
ODAでただお金を渡すだけでなく、現状のアフリカを知ろう。様々な人間の交流や、一口にアフリカといっても非常に多くの国が存在することや、その国の格差の広がりが非常に興味深い。未だ裸に近い原住民もいれば、スーツに身を包む人もいる、大自然との隣り合わせの生活と近代的な文化の融合の理想像はこういうものかもしれない。
アフリカにどう学ばせるかより、アフリカからどう学ぶか
多種多様な分野で活躍する11のアフリカ研究者に、現在の研究内容について取材インタビューしたもの。失礼ながら「アフリカ=遅れた地域」のイメージは拭い去れないが、アフリカ研究者の多くが「アフリカから学びたい」と考えていることに驚いた。村落、音楽、手話など、どれも現地社会に入り込んで信頼を勝ち取り、教えてもらったことばかりだ。また、女性、障害者、路上生活者など、アフリカの中でもメーンストリームと言いがたい人たちへの研究が多く行われているが、そうした特定の社会階層の中にはわれわれが知らない世界が広がっている。

研究者の多くが語るのは、経済指標で見るとアフリカは確かに後進国なのだが、心の豊かさは決して悪くなく、アフリカ独自の合理性で社会は回っている、という。農業研究者は諸外国の農業では常識の単作をやり、豆を植えたところ、8割が壊滅したが、混作にすると、7割が回収できたという。アフリカを良くするには、アフリカの常識の中で良くしないといけないという、メッセージのように感じた。その一方で廃止されるべき悪弊もある。その筆頭が女子割礼。これはアフリカの常識であろうがやめさせなければならない。

ジュニア新書ということで本書は高校生向けだが、大人でも「今のアフリカ研究」の水準を知ることができるいい本だと思う。
関連書籍