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この本に関する書評
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主軸は「ひとりの男の死」なのだが、章ごとに語る人物が違う。そのひとつひとつを組み合わせると、
作品全体の流れがあざやかに浮かび上がっていく。そういうストーリー展開が絶妙で、どんどん作品の
中に引きずり込まれるような感じで読んでいった。死体となって発見された男。その男が調べていた
こととは?一見ミステリーのようだ。だが、ミステリーとして読むと、疑問や不満を感じる人が少な
からずいるのではないだろうか。
結末にも意外性はない。いや、この作品全体に「意外性」などというものは存在しないのだ。だが、
意外性がないのに意外性があるように思わせるところに作者のすごさがある。この作品は、「不思議な
恩田ワールドをじっくりと味わう。」そういう純粋な気持ちで読むほうが楽しめると思う。私個人と
しては、とても好きな作品だった。
作品全体の流れがあざやかに浮かび上がっていく。そういうストーリー展開が絶妙で、どんどん作品の
中に引きずり込まれるような感じで読んでいった。死体となって発見された男。その男が調べていた
こととは?一見ミステリーのようだ。だが、ミステリーとして読むと、疑問や不満を感じる人が少な
からずいるのではないだろうか。
結末にも意外性はない。いや、この作品全体に「意外性」などというものは存在しないのだ。だが、
意外性がないのに意外性があるように思わせるところに作者のすごさがある。この作品は、「不思議な
恩田ワールドをじっくりと味わう。」そういう純粋な気持ちで読むほうが楽しめると思う。私個人と
しては、とても好きな作品だった。
この人の小説は謎解き目的で読むとだめだったんですね。しりすぼみもいいところ。読み終わってご都合主義のたたみ方と、たたみもしない謎が残って欲求不満で本を投げたくなりました。
恩田陸さん得意のパラレル感が味わえます。
いつも、はぐらかされて終わってしまう話が多い中、
この作品は、起承転結してますね。
なんで、どのように死んだのか、はっきりしていて、すっきりします。
いつもの考えさせるようなラストではありません。
願うなら、本作に出てくる男のように死にたいものです。
いつも、はぐらかされて終わってしまう話が多い中、
この作品は、起承転結してますね。
なんで、どのように死んだのか、はっきりしていて、すっきりします。
いつもの考えさせるようなラストではありません。
願うなら、本作に出てくる男のように死にたいものです。
恩田陸の超絶的な「かたり」の技巧が炸裂している作品です。ミステリー、ホラー、ファンタジーといったあらゆるジャンルの要素を鏤めつつ、あらゆるジャンル小説として中途半端です。でも、この作品は、そもそもどんなジャンル小説でもないように感じました。読み方はいろいろあるし、結果としてこの作品を気に入る人もそうでない人もいると思いますが、ぼくは星5つつけます。ぼくはこの小説を視点に関する技巧を凝らし、物語世界を俯瞰する視点とは何なのかについて思いを凝らした物語として読みました。というか、読み終えてそう感じ入りました。目次を見ても、この小説にとって視点が重要であることが明示されていると思います。
この小説の冒頭は二人称という珍しい視点ではじまります。しかも、中心となる「あなた」が知り得ないこともどんどん語られ、二人称としての整合性が簡単に破られていきます。違和感のある描写の行間に登場人物を「あなた」と呼ぶ「語り手」の存在が暗示されているようにぼくは感じました。
19章と3つの「幕間」からなる物語は、変幻自在に視点を変えていきます。物語としてのクライマックス、今日と昨日を隔絶するある大掛かりな出来事が描かれたあと、短い2章を添えて、物語は締めくくられます。この2章では、主にある一人の人物について語られますが、それぞれの章で視点が切り替わります。そして、最後の1ページで、さらに語りの視点が異様なものに変容します。最後の1ページに現れたこの視点こそが、冒頭である人物を「あなた」と呼んだ語り手の視点なのだろうと、ぼくは解釈しました。そうした異形の視点の存在そのものが、この物語を象徴しています。「これ」を「このように」書こうとする着想が凄まじいし、すばらしいと思います。
この小説の冒頭は二人称という珍しい視点ではじまります。しかも、中心となる「あなた」が知り得ないこともどんどん語られ、二人称としての整合性が簡単に破られていきます。違和感のある描写の行間に登場人物を「あなた」と呼ぶ「語り手」の存在が暗示されているようにぼくは感じました。
19章と3つの「幕間」からなる物語は、変幻自在に視点を変えていきます。物語としてのクライマックス、今日と昨日を隔絶するある大掛かりな出来事が描かれたあと、短い2章を添えて、物語は締めくくられます。この2章では、主にある一人の人物について語られますが、それぞれの章で視点が切り替わります。そして、最後の1ページで、さらに語りの視点が異様なものに変容します。最後の1ページに現れたこの視点こそが、冒頭である人物を「あなた」と呼んだ語り手の視点なのだろうと、ぼくは解釈しました。そうした異形の視点の存在そのものが、この物語を象徴しています。「これ」を「このように」書こうとする着想が凄まじいし、すばらしいと思います。
本当に、恩田陸って、文章力というか、描写力というか、物語の吸引力はすごいと思う。
多くの方が書いてる通り、これできっちり結末で落とし前をつけてくれたら、頭一つ抜けた存在になるだろう。
けどこれだけ何冊も、結末ボヤかしたり、後は想像してね…だったり、SFチックな最後にしたりするのは、本人が敢えてしてるんでしょうね。
現実的な結末を、書こうとはしてないのかな、と思う。
「推理小説」を読んでるんだ!という思い込みを捨てて今作を読むと、十二分に楽しめるし、立派に着地してると思う。
恩田陸が書こうとしているものと、私が彼女に求めるもの、それが違うんだな、うん。
それに結末は抜きにしても、彼のような人は現実にいそう。
多くの方が書いてる通り、これできっちり結末で落とし前をつけてくれたら、頭一つ抜けた存在になるだろう。
けどこれだけ何冊も、結末ボヤかしたり、後は想像してね…だったり、SFチックな最後にしたりするのは、本人が敢えてしてるんでしょうね。
現実的な結末を、書こうとはしてないのかな、と思う。
「推理小説」を読んでるんだ!という思い込みを捨てて今作を読むと、十二分に楽しめるし、立派に着地してると思う。
恩田陸が書こうとしているものと、私が彼女に求めるもの、それが違うんだな、うん。
それに結末は抜きにしても、彼のような人は現実にいそう。