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私のウォルマート商法 すべて小さく考えよ (講談社+α文庫)

私のウォルマート商法 すべて小さく考えよ (講談社+α文庫)

出版社 講談社
著者 サム・ウォルトン
発売日 2002-11-20

この本に関する書評

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Amazonレビュー

小売王、世界最大の会社の創業物語。類書は多いが自伝なので
他とは一線を画す。誰かの思い出話やコメントがあり、それに
対してサムウォルトンが語るという形式になっている。この本
を読むと、何を売るかではなく、どのように売るのかが重要だ
と感じます。小さな町に出店し、豊富すぎない品揃え、単なる
安売り競争ではないようです。また客の為に安く仕入れ、客を
大切にする為に従業員を大切にする、常に楽しく働くという
モットーが貫かれ、こんな会社に勤めたいとため息が出ました。
一言一言に感じ入りながら読むことができました。
きれいな話ばかりでまとめられているわけではなかったところが
良かったと思います。
ウォルマートで買い物したくなります。
一口に言えば、よいところだけ、を貪欲に学び、迅速・果敢に実施する。

共鳴したのは以下の部分。

 片田舎の小さな町で、資金もなく十分な融資も受けられずに始めたために、
自ら学び行動せざるを得なかったことが、わが社のその後の発展に大いに
役立った(111頁)。

 私が時に心配になるのは、やはりウォルトン家の将来の世代だ。彼ら全員に、
早起きをして新聞配達をしろというのは現実的でないし、私が期待できること
でもない。しかし、私の子孫が「怠惰な金持ち」の部類に堕落するのだけは
みたくない(149頁)。

 私は、自分が組織的人間かと聞かれれば、即座にノーと答える。組織的にやれ
といわれたら、私のペースはとたんにがた落ちになる(202頁)。

 よい従業員を惹きつけ、留めておきたいのなら、会社全体が高い競争力をもつ
ことが条件であり、わが社には確実にそれがある(223頁)。

 ゴルフは社交クラブ的で生ぬるい感じがする。それに、ゴルフは時間がかかるし、
テニスのように一対一の真剣勝負という感じもしない(242頁)。


なかでも一番興味深かったのは、以下の「お家騒動」である。

 守旧派フェロルド、進歩派ロン、社長サム。ロンは、ウォルト社を経営する夢を
持っており、それができないなら、外へ出て別の会社を経営するつもり、
そうサムに宣言していた。こうして、ロンは会長兼CEO、サムは業務執行役員会長、
フェロルドは社長になった。ロンは引退に失敗したのであった。古参はフェロルドに、
新参はロンに、こうしてウォルト社は二分された。会長就任から2年後の1976年6月、
サムが会長兼CEOに復帰し、ロンを更迭した。ウォルト社では、この出来事は
「土曜の夜の大虐殺」と言われている。ロン陣営の上級管理職、財務部長、データ処理
部長などは、ロンを追ってウォルト社を辞めた。これは「大脱走」と言われる
(249-258頁)。
スーツ姿でWAL-MARTの野球帽をかぶったサム・ウォルトンの表紙の見るとよく
ある成功者の後付の美化されたサクセスストーリーなのではないか、あるいは
著者の文字通り「安売哲学」の話なのではないかと思うのは無理ない。

 しかし、この本はそんな第一印象とはまるで違ったすごい本だ。参考になる
というようなことばでは軽すぎて心から感動できる。ビジネス書をこえて、より
よい人生を送るために目を通しておくべき本の1冊であることは間違いない。

 ウォールマートというと、昨今の日本では日本の流通市場支配を虎視眈々と
もくろんでいる外資企業というイメージが定着しているが、こういう人が
こういう考え方に基づいて育ててきた企業であるということは理解しておいて
損はない。ある意味で、非常に日本的な経営哲学を持って生まれてきた企業
なのだということも理解できた。

 ビジネス書をあまり読まない方にもぜひ一度目を通していただきたい話が
満載の1冊です。絶対おすすめの一冊です。

 ハードカバーの「ロープライスエブリデイ」とは原書は同じですが、訳が
異なります。
鈴木貴博氏の「会社のしくみは変えられますか?」に引用があったので、
手にとって見た。

著者のサム・ウォルトンは、一代で世界最大のディスカウントストア、ウォルマートを築いた伝説の経営者である。日本で言えばダイエーの中内功氏にあたると思うが、なにしろアメリカだから桁外れにでかい。ヨーカドーとイオンとダイエーと西友を全部足して2倍しても、ウォルマートの売上げにはぜんぜん届かない。そういう大企業をたった1店舗から作りあげていったのがサム・ウォルトンである。

内容は彼の自伝と経営哲学が半々、といったところ。20世紀最高の経営者と称されたGEのジャック・ウェルチはあくが強くて好悪相半ばする印象だが、それに比べるとサム・ウォルトンは型破りな行動力をもちながらも性格は実直、生活は質素、親近感を与えるキャラクターである。

巨大な企業を経営するコツは「小さく考える」ことであるという。
具体的には以下の6点。
・一店ごとに検討する
・意思疎通は組織の命である
・現場に足を運ぶ
・現場に責任と権限をもたせる
・現場から改善案を出させる
・組織をスリムにし、官僚化と戦う

サム・ウォルトンは自分の経営手法がベストではないといい、同業者の良いところを常に真似し自社に取り入れ続けた、という。その謙虚さと、次々と湧き出る商売のアイディア、そして自身で飛行機を飛ばして全国の店舗を見て回るマメさ、従業員への優しさ。そういった彼の持つすべてがウォルマートの奇跡の成功を生んだのであろう。
カリスマといえばカリスマ、誰にも真似はできないが、とても身近で爽やかさを感じるカリスマである。一読をぜひお勧めしたい。