情報
-
-
新装版 マックスウェルの悪魔 (ブルーバックス)
出版社 講談社 著者 都筑 卓司 発売日 2002-09-20
この本に関する書評
書評は登録されていません。
この本について書かれているページがありましたら、ご自由に登録して下さい。
Amazonレビュー
非常にすばらしい.熱力学のお話の本ですが,おとぎ話的なプロローグから始まり,熱力学の第一法則・第二法則を数式をほとんど使わずしっかりと説明しています.特に永久機関の話やなぜ空気はつもらないのかという話は楽しめます.
確かに空気はなぜ降り積もらないのかというのは一見不思議です.空気の分子がニュートン力学に従うとすると地球の引力に引かれて地上に降り積もるはずです.ここで熱力学の第二法則の登場となります.ただ,第二法則は,「それは確率的にあり得ない」ということを言っているので,空気が降り積もる瞬間がなくはないというのがまた不思議なところです.
後半は若干難しいことも書かれていますが,是非どうぞ.高校生や参考書に困っている大学生にはお勧めです.
確かに空気はなぜ降り積もらないのかというのは一見不思議です.空気の分子がニュートン力学に従うとすると地球の引力に引かれて地上に降り積もるはずです.ここで熱力学の第二法則の登場となります.ただ,第二法則は,「それは確率的にあり得ない」ということを言っているので,空気が降り積もる瞬間がなくはないというのがまた不思議なところです.
後半は若干難しいことも書かれていますが,是非どうぞ.高校生や参考書に困っている大学生にはお勧めです.
熱力学、エントロピーを考えるにあたって、マクスウェルの悪魔が存在したとしたらという仮説に関する議論。
物理学と社会との関係を探る労作。
個々の仮説の検証はむつかしいことも多いので、何が妥当かは歴史が回答することもあるかもしれない。
物理学と社会との関係を探る労作。
個々の仮説の検証はむつかしいことも多いので、何が妥当かは歴史が回答することもあるかもしれない。
本書はエントロピーについて書かれた本で、統計力学の副読本として読むこともができるが、
素晴らしいのは、恐らくはほとんどこの分野に縁のない一般の人でも読みきることができるだろうというところだ。
それは本書の内容が易しいからではなく、難しいことをわかりやすく書いているからで、
いろいろな立場の人が、それぞれの立場から学び取り、考えたりすることがあると思う。
だから、読み返すたびに新しい発見がある。
こういうのを名著と言うのだろう。
素晴らしいのは、恐らくはほとんどこの分野に縁のない一般の人でも読みきることができるだろうというところだ。
それは本書の内容が易しいからではなく、難しいことをわかりやすく書いているからで、
いろいろな立場の人が、それぞれの立場から学び取り、考えたりすることがあると思う。
だから、読み返すたびに新しい発見がある。
こういうのを名著と言うのだろう。
エントロピーに興味を持ちはじめている。
僕自身は物理学には疎く 本書で展開される物理学の部分を理解する力には乏しい。日常的な例は理解できるか それの理論化は時として理解に困難である。文系を選んだことが 中年になって裏目に出た一例だ。
但し 本書の主題は 物理学ではない。本書のテーマとは「人間とはどういうものか」だ。
著者の主張は二点だと読んだ。
一点目。人間を「エントロピーを減少させようとする存在」だと定義している。森羅万象が大きな方向性としてエントロピーを増加させようとする中の「抵抗勢力としての人間」という定義だ。人間自身が森羅万象の一部であることを考えると誠に異端児だ。この点で 著者は人間に対してきわめて肯定的な評価を与えている。
二点目。但し著者は人間の滅亡を強く懸念する。人間自身が作りだす情報過多というエントロピーの増大に耐えられず 人間は内部から崩壊するのではないかという懸念だ。
本書が描かれたのは1970年、30年前である。その間の情報量の増大はおそらく著者の想像を遥かに超えたものだろう。一方 そのエントロピーの増大に対抗してIT技術も人間は増大させ エントロピーの減少に努めてきたことも確かだ。従い著者が想像した以上に エントロピーを管理してきたとも言えよう。
但し 今世紀も10年経ってきた現在、次第に情報過多の恐ろしさも見えてきた。今のサブプライム問題にも 「余りに情報が多すぎると 判断できず 従い判断停止せざるを得ない」という一面がある。一つの金融商品に余りに情報が多いので中身が理解出来ず、 従いパニックが起こると 判断停止=買わなくなる=買い手不在=更なる暴落という図式があるからだ。判断停止した人間はおそらく恐ろしい存在に違いない。
この意味で二点目に関し 僕らは著者を反論することは現状出来ない。もっと言うと著者の主張がいよいよ正しく見えてきている。
以上 大変興味深く読んだ。
僕自身は物理学には疎く 本書で展開される物理学の部分を理解する力には乏しい。日常的な例は理解できるか それの理論化は時として理解に困難である。文系を選んだことが 中年になって裏目に出た一例だ。
但し 本書の主題は 物理学ではない。本書のテーマとは「人間とはどういうものか」だ。
著者の主張は二点だと読んだ。
一点目。人間を「エントロピーを減少させようとする存在」だと定義している。森羅万象が大きな方向性としてエントロピーを増加させようとする中の「抵抗勢力としての人間」という定義だ。人間自身が森羅万象の一部であることを考えると誠に異端児だ。この点で 著者は人間に対してきわめて肯定的な評価を与えている。
二点目。但し著者は人間の滅亡を強く懸念する。人間自身が作りだす情報過多というエントロピーの増大に耐えられず 人間は内部から崩壊するのではないかという懸念だ。
本書が描かれたのは1970年、30年前である。その間の情報量の増大はおそらく著者の想像を遥かに超えたものだろう。一方 そのエントロピーの増大に対抗してIT技術も人間は増大させ エントロピーの減少に努めてきたことも確かだ。従い著者が想像した以上に エントロピーを管理してきたとも言えよう。
但し 今世紀も10年経ってきた現在、次第に情報過多の恐ろしさも見えてきた。今のサブプライム問題にも 「余りに情報が多すぎると 判断できず 従い判断停止せざるを得ない」という一面がある。一つの金融商品に余りに情報が多いので中身が理解出来ず、 従いパニックが起こると 判断停止=買わなくなる=買い手不在=更なる暴落という図式があるからだ。判断停止した人間はおそらく恐ろしい存在に違いない。
この意味で二点目に関し 僕らは著者を反論することは現状出来ない。もっと言うと著者の主張がいよいよ正しく見えてきている。
以上 大変興味深く読んだ。
ここ最近人気のブルーバックスの中でも実に分かり易い。というより、一般人が挫折せずに読み切れる数少ないものの一つである。
数式が限りなく少なく(それも無視して読んでも問題ない…)、途中で本を投げ出したくなったりしない。だからといって物理が分かるわけではないが、私はこの本で初めてエントロピーのなんたるかがわかりました。
このところの素粒子ブームで、素粒子の持つ電子のスピン等々について頭をかかえたことのある人、都筑氏のスピン=棒磁石の解説で頭のもやが晴れるはずです。
数式が限りなく少なく(それも無視して読んでも問題ない…)、途中で本を投げ出したくなったりしない。だからといって物理が分かるわけではないが、私はこの本で初めてエントロピーのなんたるかがわかりました。
このところの素粒子ブームで、素粒子の持つ電子のスピン等々について頭をかかえたことのある人、都筑氏のスピン=棒磁石の解説で頭のもやが晴れるはずです。