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新装版 不確定性原理 (ブルーバックス)

新装版 不確定性原理 (ブルーバックス)

出版社 講談社
著者 都筑 卓司
発売日 2002-09-20

この本に関する書評

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Amazonレビュー

によって左右されます。1970年前後の時代に、ボーア、シュレーディンガー、ディラックから江崎ダイオードまで、ほどよく配置しています。このバランス感覚がありがたいと思います。
私は科学系の書籍に多数目を通してきましたが、「不確定性原理」についてここまで分かり易く解説したものを他に見出すことはいまだに出来ません。
乱暴な言い方をすれば、本書を読んで「不確定性原理」の核心が理解出来ないようなら、この手の世界には縁がないものと諦めた方がよいのではないかとすら思っています;
でも、今このレビューサイトに興味を持って眺めているような方なら心配ないでしょう(笑)
既に内容紹介や他のレビュアーの方が言及されていることですが、卑近な例えで本質に切り込む著者の手腕は非凡としか言いようがないですし、単純に「面白い」読み物として肩の力を抜いて楽しめる内容になっていますから。
この本のいい部分については、他のレビュワーさんの方々が述べているので、ここではよくないと思った部分について書く。

「実は両方の(位置と速度との)ボヤケぐあいの間にはある関係があって、極端にいえば、位置をピタリとはっきりさせようとすると、速度はゼロから無限大の間で不確定となる。」(p102〜103)

しかし、この「不確定」というのは「人間が測ることができない」というだけであって、「実際に速度が決まっていない」かどうかはこれまでの話じゃわからない。
しかし続けて

「このことは、速度はその間である一つの値をもっているのだがわれわれにはわからない、と考えてはいけない。電子がその間で一つの速度値を持っている、という保障自体何もないからである。正確な速度は神さまさえもご存じなかろう。
電子はそのとき速度はゼロかもしれないし、無限大かもしれないし・・・・・・というのではなく、これまでの話の様子ではどうやらゼロであると同時に無限大でもあり、ゼロであると同時に一でも一〇〇〇でもその他あらゆる速さを持つ・・・・・・という妙なことであるらしい」(p103)

いや、だから「なぜ」そういえるのか、が知りたいんじゃないですか。「保証がない」からといって「それが誤りである」と証明されたわけでもないのに・・・


ということで、不確定性原理の非常に重要な部分が抜け落ちている気がする。
「位置と運動量を同時に正確に測ることは不可能である」という現代物理の柱となる原理がある。それが不確定性原理である。本書はこの不確定性原理とそれにまつわる話を分かりやすく解説した本である。
内容は、「巨人の星の消える魔球は不確定性原理を用いたものだ」という話から始まり、ラプラスの悪魔という古典物理の考え方を語り、本題である不確定性原理及び現代物理の基礎的な話と進んでいく。そして、最後に太平洋戦争のことが書かれて終わる。解説は大変分かりやすく、たとえ話も面白い。本書の原著は30年前ぐらいに書かれたもので、内容もその当時と変わっていないらしい。しかし、30年の歳月を感じさせない面白さが本書にはある。まさに時代を超えた名著である。
最後に、著者である都築先生はすでにお亡くなりになったらしい。都築先生のように戦争を体験された方が段々と少なくなっているんだなぁ…と実感する本でもあった。著者の冥福を祈りたい。
量子力学の中心的な概念である不確定性原理についてわかりやすく説明した本です。わかりやすいと言ってもさすがに限度があり、誰にでも即座に理解できるというような内容ではありません。若干だが数式も使われています。しかし、数式を出すことによってむしろ理解が具体的になるという面もあり、この本ではむしろ数式がメリットとして機能しているように思います。

私はこれまでに何冊か量子力学についての本を読み、その度にわかったようなわからないような気分になったのですが、この本を読んだ後が一番頭がすっきりしたような気がします。ただ、2002年に出た新装版とは言え、中身は1970年の初版と同じなので、その後の学説の進展には触れられていないのが残念です。