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経済成長という病 (講談社現代新書)
出版社 講談社 著者 平川 克美 発売日 2009-04-17
この本に関する書評
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唖然としながら読み進めやがて興奮し始め、その言葉を嗅ぎ取ろうと探索し、自らを内省する。このスパイラルを繰り返しながら読み進む。
今の「自分」の価値観そのものを形成してきた社会全般は、どういう社会なのか。
世界同時不況を「分析」し「評論」し未来を「予測」しようとするが、そもそもこの事象を生み出したのが自分であることを認識できているか。
何かを教える本、ではないし、「今までの社会の潮流」にのっていた(作ってきた)われわれには受け入れにくい見方もあるが、
今の世の中、経営管理や経済に関心がある(しかも見方に自信がある)方には是非、お勧め。
この本を評論しながら、しかし最後は線を引いて受け入れるところをもてればよいのでは。
今の「自分」の価値観そのものを形成してきた社会全般は、どういう社会なのか。
世界同時不況を「分析」し「評論」し未来を「予測」しようとするが、そもそもこの事象を生み出したのが自分であることを認識できているか。
何かを教える本、ではないし、「今までの社会の潮流」にのっていた(作ってきた)われわれには受け入れにくい見方もあるが、
今の世の中、経営管理や経済に関心がある(しかも見方に自信がある)方には是非、お勧め。
この本を評論しながら、しかし最後は線を引いて受け入れるところをもてればよいのでは。
ステレオタイプの思考やものの見方に陥っている現代への警鐘である。経済のみならず、教育、マスコミ、グローバリズム、人口減少等々の問題はわれわれの思考やものの見方がステレオタイプ化していることから生じている。こうしたステレオタイプ化する思考というものは、おそらくニュートラルな傍観者的立場で世界を眺めることによって世界を既知のモデルに収めて思考を停止させるひとつの安定装置なのだろう、と評者は思う。
平川氏は、われわれの世界で起きていることに他人事のように見ている虚しさに敏感なのだろう。リーマンショックも対岸の火事ではなく、一瞬にして全世界的に飛び火するという現象に、もはや誰一人として傍観者的立場になく、むしろ加担者ではないのか。そこであらゆる出来事への関与や参加にいかに自覚的になりうるかどうかが重要になってくる。また社会的成熟期に入ったわれわれもまたそうした意識と関わりかたの模索が必要ではないかと氏は主張する。評者もまた、一人の例外なく森羅万象の宇宙に生じている現象に無関係でないものはないと考える者の一人である。
解決策というものが具体的に提示されるというわけではないが、経済成長至上主義といったステレオタイプ的思考を脱却し、成熟期に見合った成熟した思考、ものの見方が求められていることは確かだ。
奇を衒ったところのない、穏当でじっくりと練られた筆運びには説得力がある。
「成熟した未来図を成熟した大人が描く。その作業をひとりひとりが、はじめてみてもよいと思う。」
これが最終章の結びの言葉だ
平川氏は、われわれの世界で起きていることに他人事のように見ている虚しさに敏感なのだろう。リーマンショックも対岸の火事ではなく、一瞬にして全世界的に飛び火するという現象に、もはや誰一人として傍観者的立場になく、むしろ加担者ではないのか。そこであらゆる出来事への関与や参加にいかに自覚的になりうるかどうかが重要になってくる。また社会的成熟期に入ったわれわれもまたそうした意識と関わりかたの模索が必要ではないかと氏は主張する。評者もまた、一人の例外なく森羅万象の宇宙に生じている現象に無関係でないものはないと考える者の一人である。
解決策というものが具体的に提示されるというわけではないが、経済成長至上主義といったステレオタイプ的思考を脱却し、成熟期に見合った成熟した思考、ものの見方が求められていることは確かだ。
奇を衒ったところのない、穏当でじっくりと練られた筆運びには説得力がある。
「成熟した未来図を成熟した大人が描く。その作業をひとりひとりが、はじめてみてもよいと思う。」
これが最終章の結びの言葉だ
考察内容が新書というよりもブログ程度のレベルであり、出版物として読むに値しないと思いました。
経済や政治についての新書を初めて読むようなひとにはいいかもしれません。
経済や政治についての新書を初めて読むようなひとにはいいかもしれません。
著者が語ろうとしているのは経済理論や経済対策ではなく、カネに振り回されて破滅していく人間の本性そのものについてです。なんとしてもカネを儲けたい人にはまったく向かない本ですが、カネ崇拝という世界に辟易した人には大きな処方箋となるでしょう。「経済」に関わる人たちのどれほどが本書を受け入れるかは分かりませんが、これから社会へ出ていこうとする若い人にはぜひ読んでいただきたい本です。
この本のことは知りませんでしたが、日頃から経済成長一辺倒主義の現状に疑問を持っ
ていた私としては、ビジネスの最前線の現場にいる人からの、現在の経済システムの
異常性を真正面から指摘する鋭い批判に、おおいに共感しました。
本書における著者の思考の背後にあるのは、秋葉原事件への言及からも窺えるように、
その当事者性であると思われます。現在メディアで目にする社会問題への言説の多くは、
自分とは関係のない理解不能な出来事であり、自分たちとは隔離する方向での対処が要
求されており、著者はそこに疑問を感じているようです。
著者は、ビジネスの現場で自分の感じた、今世紀初めの価値観の変化の原因を突き詰める
ところから、欲望を無条件に肯定する社会の帰結としての、世界的金融危機と秋葉原事
件という、身近で、しかし感覚的には遠い現象にまつわるあれこれを思索します。
それらの出来事の因果関係は、短絡的に結びつけられませんが、同じ時代背景の何かを
共有しているように見てとれます。
誰かの強欲でも、異常性でもなく、自分の欲望や、自分が日々平常でいられる偶然性に
ついて想いを至らせる、そんな自覚を持って欲しいと著者は願っているようです。
その中で著者の言う、現在の少子化による人口減少は経済成長の結果であり、むしろ
適正化されているのではないか、よって、経済成長のために少子化を防ぐという考えは
本末転倒ではないかという疑問は、一見突拍子もないように聴こえますが、頭から否定
はできないように思えます。
もしそうであるならば、著者も言うように、政府の取るべき政策は無意味な少子化対策
ではなく、人口減少社会に即した環境整備を行うこととなってきます。
著者は、政府が経済成長に固執する原因を、昨今の若さへの過剰な固執と重ねて見てい
ますが、確かにそのような面は否定できないと思います。
私はそれに加えて、高齢社会を支えるための労働力の確保や、自分たちの生活レベル維
持のためという、どこまでも自分たち本意の思想が全面に出すぎている気がしてなりません。
これらも人間の正直な気持ちとして否定はできませんが、労働力としてしか期待されな
い子どもや母親たちが、それを拒否するのは当然のことに思えます。
かつての、「女は生む機械」発言への激しい反発も、背後にこのような意識があったの
ではないかと思われます。
そもそも、少子化と経済成長を短絡的に結びつけるのも、疑問の残るところではあります。
本書は、タイトルと内容のズレがある気もしますが、将来像の見えない現代の問題を
考える上で、様々な示唆を与えくれる優れた本だと思われます。
ていた私としては、ビジネスの最前線の現場にいる人からの、現在の経済システムの
異常性を真正面から指摘する鋭い批判に、おおいに共感しました。
本書における著者の思考の背後にあるのは、秋葉原事件への言及からも窺えるように、
その当事者性であると思われます。現在メディアで目にする社会問題への言説の多くは、
自分とは関係のない理解不能な出来事であり、自分たちとは隔離する方向での対処が要
求されており、著者はそこに疑問を感じているようです。
著者は、ビジネスの現場で自分の感じた、今世紀初めの価値観の変化の原因を突き詰める
ところから、欲望を無条件に肯定する社会の帰結としての、世界的金融危機と秋葉原事
件という、身近で、しかし感覚的には遠い現象にまつわるあれこれを思索します。
それらの出来事の因果関係は、短絡的に結びつけられませんが、同じ時代背景の何かを
共有しているように見てとれます。
誰かの強欲でも、異常性でもなく、自分の欲望や、自分が日々平常でいられる偶然性に
ついて想いを至らせる、そんな自覚を持って欲しいと著者は願っているようです。
その中で著者の言う、現在の少子化による人口減少は経済成長の結果であり、むしろ
適正化されているのではないか、よって、経済成長のために少子化を防ぐという考えは
本末転倒ではないかという疑問は、一見突拍子もないように聴こえますが、頭から否定
はできないように思えます。
もしそうであるならば、著者も言うように、政府の取るべき政策は無意味な少子化対策
ではなく、人口減少社会に即した環境整備を行うこととなってきます。
著者は、政府が経済成長に固執する原因を、昨今の若さへの過剰な固執と重ねて見てい
ますが、確かにそのような面は否定できないと思います。
私はそれに加えて、高齢社会を支えるための労働力の確保や、自分たちの生活レベル維
持のためという、どこまでも自分たち本意の思想が全面に出すぎている気がしてなりません。
これらも人間の正直な気持ちとして否定はできませんが、労働力としてしか期待されな
い子どもや母親たちが、それを拒否するのは当然のことに思えます。
かつての、「女は生む機械」発言への激しい反発も、背後にこのような意識があったの
ではないかと思われます。
そもそも、少子化と経済成長を短絡的に結びつけるのも、疑問の残るところではあります。
本書は、タイトルと内容のズレがある気もしますが、将来像の見えない現代の問題を
考える上で、様々な示唆を与えくれる優れた本だと思われます。