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行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)

行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)

出版社 集英社
著者 杉山 尚子
発売日 2005-09

この本に関する書評

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Amazonレビュー

大学のレポート(教養科目)を書くために読みました。
新書なので、どうしても最後の方は難易度が急に高くなる気がしますが、
その分最初の方は分かりやすく、自分のような初学者には有意義な内容でした。
また「仕事」という日常(私はアルバイトですが)に生かせる実例も掲載されているので、
機会があればぜひ実践に生かそうと思います。
「どうしたら部下が仕事をしてくれるようになるのか」
「テスト勉強・・・・やる気が出ない」
「どうしてもタバコが辞められない」
この本を読めば、これらの問題が改善するかもしれません。
「自分がダメだから」と嘆く前にこの一冊です(笑)。
本書をよめば、著者の研究分野である行動分析学についてよくわかります。
研究内容から研究方法まで、非常に簡潔に書いてあります。
しかし、本書に書かれているのは、あくまで学問としての行動分析学であって
自分の悪習慣を直したいなどの、即効的な自己啓発を求めている人には向きません。
行動分析学そのものについてはもちろん、
関連情報として、
心理学全般の中での行動分析学の位置づけ、
発展の歴史とその時代の背景や
主義主張が提示されていて、
わかりやすかった。

ただ、ビジネス的な問題解決を図るためのヒント
(特に概念でなくハウツー)を期待して
読んだ人には情報が不足しているので、
著者を含むこの分野の別の著作をあたる必要がある。
 学問の入門書ほど書くのに難しい物はないでしょう。一般受けするように書けば
学問として齟齬のある本となってしまいますし、かといって専門性全開で展開し
ていくと入門書という本来の目的を損なってしまいます。本書も初めて行動分析
学に触れる一般読者を対象に書いたにもかかわらず、どうしても教科書的なって
しまったことは痛恨の極みと著者自らが認めています。著者の反省する点は一読
するとよくわかります。

 学問として体系づける立場の人間が書くと、どうしても概論的で一般教養科目
的にならざるを得ないのでしょう。ただ著者の努力は出版から約3年を過ぎて最近
では行動分析学をどう使って一般生活やビジネスに役立てるかという書籍が目立
つようになってきて、それらを読む際に本書の内容が基礎知識として大変役に立つこと
がわかりました。

 概して基本はつまらないものですが、やはりその土台がないと本質を捉えて活
用することができないということが、実用書としての行動分析本を読むとよくわかります。
何らかの不適応状態が行動に及んでいるとき、それを専門的に解決する方法にはいろいろな次元のものがあります。不適応であるという苦痛をただ受け止めることが必要な人もいれば、それに対する考え方を変えることが有益であろう人もいます。あるいは薬物等で解決できる不適応もあるかもしれません。

行動分析学について知りたいと思い、この本を読みました。この本は初心者にもわかりやすかったです。この本によれば、行動分析学の祖であるスキナーは1953年に、行動分析学は以下のレベルでものごとを扱わないと述べたそうです。「1.脳の神経生理的な説明をしない」「2.心的な説明をしない」「3.概念的説明をしない(測定不能な”文才”などの概念を新設してそれを原因の説明とする)」

そして、行動分析学で受け入れる説明は、「遺伝的な説明」「過去の環境要因による説明」「現在の環境要因による説明」の3つであると書かれています。

とくに、たくさん出されている例を通じ、環境への着目という方向性が印象に残りました。わたしたちは自分たちが思うよりも、環境によって無意識のうちに行動させられている部分があります。たとえば、灰皿がそばにあったら、愛煙家はついつい喫煙してしまうことでしょう。しかし環境に着目しないならばその行動は、「意思が弱いからだ」という、皮膚の内側の出来事へと還元されてしまうかもしれません。そのような意味で、行動分析に着目することは、その人の有責性を軽減してくれる面を持っていると思いました。

いかに環境や行動を統制して実験しても、個別の認知様式はさまざまであり、「このような介入は効果がある」ということを普遍化するのはなかなか困難であるのが現実であろうと思います。この本でも個別例における行動分析のデザインについて、かなり詳しく記載されています。行動分析は、ある行動に着目したときに、その行動が何らかの環境因によってなされていると予測できるとき、力を発揮するものでしょう。そして、行動分析はおそらく、重い脳障害を有する方における望ましい行動への介入に力を発揮することが期待できるのではないかと感じました。