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中国共産党に消された人々

中国共産党に消された人々

出版社 小学館
著者 相馬 勝
発売日 2002-03

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Amazonレビュー

元産経新聞記者の著者が中国の民主活動家がいかに中国共産党政府と戦い、
弾圧されてきたかを追ったドキュメンタリーです。

ちょうど19年前に起こった中国の学生、市民による民主化要求デモを戦車で踏みにじった天安門事件を中心に構成されていて、
民主化活動と政府による弾圧の対立構造と天安門事件を知るための入門書となるでしょう。

後半の香港返還と香港の報道の自由が奪われていく様子は、
「一国二制度」ですら耳ざわりのいい建前でしかないことを改めて思い知らされました。

経済成長、北京五輪、四川大地震、少数民族弾圧など注目を浴びる現代中国の暗闘にスポットを当てています。
本書は、中国共産党から政治的に抹殺された民主化運動指導者たちの
肉声を伝えるルポタージュです。中国では経済発展を実現させた経済開
放・自由化路線の背後で、未だ政治的には共産党による一党独裁体制
が続き、政治弾圧が定常的に行われている。天安門での学生デモの後、
民主化運動は完全に封殺され、チベット自治区では安定化の名目で、凄
まじい弾圧、人権蹂躙が行われています。インターネットに民主主義を切
望する書き込みをするだけで警察当局に拘束され、苛烈な弾圧を受ける
ことになるのだと。表面的には日中友好が進んだように見えても、中国は
日本とは全く政治体制の異なり、秘密主義の統制国であることを肝に銘
じる必要があります。
国際社会の中で、政治的な評価と、経済的な評価が、中国ほど両極端な国は恐らくないと思います。本書は、経済と違って日本では殆ど注目されない、独裁政治の問題点を暴き出した、産経新聞記者らしい力作です。

タイトルからも分かるように、本書は中国共産党によって、政治的に祖国で迫害に遭った人々の半生を描き出したものです。元北京大学生であり、現在はハーバード大学生である王丹氏をはじめ、アメリカ亡命後、アリゾナ大学で天文学教授を勤める方励之氏、二十年間の獄中生活釈放後、コロンビア大学客員教授を勤める魏京生氏らの肉声を通して、独裁政権によって今なお弾圧を受けている人々の実態が、目に見えるような形で実感できると思います。

とりわけチベットでの人権弾圧は凄まじい。政治犯に対する日常的な拷問や、一般人に対する執拗な監視・脅迫など、到底同じ人間に対する仕打ちとは思えない苛烈な弾圧ぶりが、体験者であるチベット人の肉声を通じてひしひしと伝わってきます。国内政治犯の八割以上がチベット人とも言われますが、チベットに対する強圧的な政策を改めるだけで、中国の国際的な地位は高まると思います。

香港に関する記述からは、人権弾圧とは異なる、言論統制の実態を知ることができます。記者に対する突然解雇や懲罰人事、新聞の強制的な廃刊、相次ぐジャーナリストの国外脱出、などの事例を見る限り、中国政府が本当に「一国家ニ制度」を守っているかどうかはかなり疑問です。香港返還当日の市民の反応が、諸外国に比べてかなり冷めていたと言うのも皮肉なことです。独裁政権下に置かれる以上、当然の帰結として言論統制が起こるわけですが、返還当日の外国(とりわけ日本)での浮かれぶりを見る限り、そうした負の側面はなかなか国外には伝わらないようです。

WTO加盟を契機として、着実に国際社会の一員に成りつつある中国ですが、現在でも60~80万人の政治犯が収容されているとのこと。資本主義顔負けの手法を用い、どれだけ経済改革を推進しても、全体主義的な要素はどうしても拭いきれない。経済交流や外資進出の活発化は大いに歓迎すべきことですが、こうした全体主義的な側面にも絶えず注目する必要があると思います。

政治犯と共産党の死闘を、活動家へのインタビューを交えながら生々しく描きます。思想弾圧の実態、ティベットや新疆地区民族運動の抑圧、変換後香港(著者は産経新聞香港支局長も歴任)での「思想統制」など「語られない中国」情報満載。筆者自身のビザが発給停止になるくだりの中国当局とのやりとりは、この国の体制を象徴しているようで興味深いものがあります。

冒頭の天安門事件リポートは臨場感あり。