書評
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自分の足でまっすぐ立って歩く
主人公まいが、大好きなおばあちゃんから教えてもらったもの、
それは「自分の足でまっすぐ立って歩いていくため」の魔法。
中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなったまいに、
魔女修行としておばぁちゃんが伝えたかったこと。
「喜びも希望も、もちろん幸せも、何でも自分で決める」
おばあちゃんの死が悲しいことではなく、
やさしくあたたかいものとして受け入れられます。
魔女
私の大学の園芸療法を学ぶ学生達はこの本を読んでいる。
中学生、特に女性はとても多感で繊細である。
主人公は不登校となった中学生の女の子まい。
少女の繊細な心理と、
リハビリテーションのような祖母との田舎暮らしを細かく描いている。
この物語の軸は「癒し」なのではないかと思う。
草木との触れ合い。自分なりのリズムで生きられる環境。
健康的な食事。シンプルな人間関係。
それらによってまいの心は癒されていきます。
でも・・・・そんな環境の中でも変わらないモノ。癒されないモノがあって。
そこをつぶさに描いているのも綺麗事じゃなくて良い。
生き辛さを感じた時、ふと読み返したくなるそんな本です
自分で考えて自分で決める
主人公のまいちゃんと
「西の魔女」こと母方のおばあちゃんとの
心の交流を描いた物語。
中学生になってまもない頃、
あることがきっかけで学校へ行けなくなった主人公は、
田舎でスローライフな暮らしをしている英国人のおばあちゃんのもとで、
しばらくの間一緒に過ごすことになります。
ワイルドストロベリーのジャムを作り、
毎朝産みたての鶏の卵を取りに行き、
庭で育てているハーブをちぎって料理を作る。
シーツやタオルを綺麗にたたんで収納する。
毎日きちんとベッドメイクをして、食事を摂って、
早寝早起きをする。
そんな生活=魔女修行をするうちに、
朝食も食べられず、早起きすらもできなかったまいちゃんは、
自分の意思で自らの生活を変えていけるようになります。
このお話での【魔女修行】とは、
その人が持つ素質を伸ばし、アンテナの張り方を覚えること。
自分で考えて自分で決めるということ。
簡単そうに見えて簡単ではないけれど、
難しそうに思えても決して難しいことではないことを
日々積み重ねていくこと。
やがてまいちゃんは、両親との日常に戻って行きます。
ふとしたことから抱えてしまった
おばあちゃんとのわだかまりを溶かしきれないまま***。
そしてそのまま再び顔をあわせることもなく
おばあちゃんは亡くなってしまいますが、
彼女の魂は最期に、まいちゃんの心を救いました。
清々しくあたたかい空気が流れている作品です。
愛される喜び
庭園やジャム作りなどの、日本じゃないような美しい情景描写。
その世界にいつのまにか入りこんでしまう。
ラストは号泣という感じではないけど、
じんわり泣けた。
誰かに愛される喜びを感じられる本。
シロクマも居たい場所を選べばいい
ナチュラルに、英国人の祖母と、クォーターの孫の夏休みの生活という感じで楽しんで読めました。
スピリチュアルな生活をしているお祖母さんの素朴な魔法修行に、魔女修行も人間修業なんだなと妙な納得感はありました。
お母さんと、お父さんの現代人的な感覚も、嫌らしい感じに描いていないのが好感が持てました。
お母さんと、お祖母さんが、過去に衝突していて完全には和解していない感じも、嫌に感じませんでした。
普通こういうドロドロした感じになりそうなところをさらりと書くところがうまいなぁと思います。
途中でまいがつぶやくように、おばあちゃんの思う方向に誘導されているように感じるところが若干気になりました。
そんなことも感じさせないような、もっと泰然として俗世を超越したような存在と描いた方がお父さん、お母さんの印象と対比がくっきりしてもっと印象に残ったのかなと思います。
もっと話の印象をくっきりさせてもよかったのにという意味で3点です。
ラストシーンは綺麗で気がきいていて好きです。