書評リンク

書評を書籍ごとに紹介していきます。

ダウン・ツ・ヘヴン―Down to Heaven

出版社 中央公論新社
著者 森 博嗣
出版日 2005-06
書評
ダウン・ツ・ヘヴン
本読みな暮らし
この本について書かれているページがありましたら、ご自由に登録して下さい。
Amazonレビュー
『スカイ・クロラ』シリーズ第三巻!

21世紀に蘇った『かもめのジョナサン』とも云えるのではないか。
SF的なキャラクター設定を採りながらも、
本シリーズの中身は、実は純文学である。

他人を痛いまでに希求する寂しさを
大空の透明な孤高で昇華する主人公たちに
私たちが果たせない孤独の処理を託してしまう、そんな物語だ。

本書は第三巻ではあるが、
時間軸的には第二巻にあたる。
シリーズを通した主人公、クサナギの
パイロット中期時代が描かれている。

今までに出てこなかった組織や社会といったファクターが
物語の中に色濃い影を落としてくる巻である。
その束縛は高空の空気の薄さよりも、息苦しい。
であるからこそ孤高の空の自由度が
簡潔、かつ的確な表現と相俟って
より強いカタルシスを生んでいる。
専門用語で綴られるスピード感
スカイクロラシリーズ3作目。
ここまできても明らかにされない詳細な世界観。
主人公「僕」の辿る空と地上の物語。
十八番の専門用語で綴られるスピード感は一段と増している。
空を飛ぶってどんな感じだろう・・・
この話で、「ナ・バ・テア」や「スカイ・クロラ」のように自由に空を飛べる事が難しくなっている。まるで、大人の契約に駄々をこねる子供のように、自分がしたいように出来ない、ならない世界に怒っている。

それでも、彼女は空を飛ぶ事を止めようとしない。

地上はどんなに汚れても、空だけは美しい場所だと知っているから。

だから彼女は美しく空を飛ぶ事を選ぶ。何者でもない、自分自身のために・・・

詩的な言霊が映像付きで連続発射
2005年6月25日リリース。『スカイ・クロラ』シリーズの第三弾。氏のWEB日記によれば『スカイ・クロラ』シリーズはあと2冊でるらしい。

ここに至るとまるで言葉が弾丸のようだ。詩的な言霊が映像付きで連続発射されている感じ。凄い表現力に感嘆である。読めば読むほど迷宮に入り込み、クサナギ・スイトとカンナミってどういう関係なのだろう、って思っている森ファンがたくさんいるだろう。謎が謎を呼んでるな。(●^o^●)

森作品は、まずキャラクターありきだ。何体かの魅力的な要素を持ったキャラクターを適度に配置、そして当然予想される化学変化を映像化し、それを文章化するという感じがする。その辺がふつうの作家とだいぶ違う。言ってみればそれは、2次元で小説を書くのと3次元で小説を書くのとの違いだ。森博嗣のキャラクターは皆、立ち上がり動き回る。その中でも草薙水素は『純』に光っていてステキだ。(●^o^●)

はやく次が読みたい、って作品です。

カンナミと草薙の謎が知りたい
スカイ・クロラで衝撃を受けてナ・バ・テア、ダウン・ツ・ヘヴンと続けて購入しました。
戦闘機で空を舞うシーンは流れるように読めて、実際に自分がそう飛んでいるような気分になります。
また、独特な世界観にも引き込まれていき、読後はその世界観の余韻が残ります。
その世界観はスカイ・クロラから続くものなのですが、ナ・バ・テア、ダウン・ツ・ヘヴンでは、だた純粋に華麗に空を飛びたい想いと、飛ぶことに付いてくる他者の思惑との狭間で生きる一人の飛行機乗りを描いています。
個人的にスカイ・クロラからまだ知りたい謎がひとつ残っており、もし次回作が出るのならば今度こそ、そのことについて書いて欲しいです。
関連書籍