書評
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Amazonレビュー
宣伝が邪魔
このシリーズの内容は本当に好きなのですが、
カバーの左下にくっついてくる
「スカイクロラ 映画化決定」みたいな宣伝が邪魔で不愉快です。
このシリーズのハードカバーの装丁は非常に綺麗で、
本の中身と外観とどちらからも潔癖な感性が感じられます。
それゆえ本棚にあるこのシリーズを見るだけで、
「綺麗なものだけ見ていたい」そういう感情を抱かずにはいられないものでした。
しかし最近付き始めた、その綺麗な空の中にあまりに無粋に浮かぶ宣伝文句。
空の中にまで「重い汚れ」が入ってきたみたいで非常な嫌悪感を感じてなりません。
なんでこういうことをするのかな
最終巻に相応しい
スカイ・クロラシリーズの最終巻。時系列としてはスカイ・クロラの前。
生きること、命、老い、戦い、愛、人間、キルドレ、過去、そして自分。
意識したことはなかった。
意識する必要がないと思っていた。
空で戦うことができれば、それで良い。
そんな主人公が、自分・他人と向き合う姿が描かれています。
「なぜ生きるのか」、「自分とは何なのか」
死なない、成長しない、そんなキルドレだからこそ直面してしまう問題ですが
読んでいて、自分と主人公の思考がリンクしたような感じで
頭がゴチャゴチャしました。
誰もが一度は考えたであろう「何のために生きるのか」という問題。
読み終えたときに何か答えが得られると思います。
色んな面で、読む人によって解釈が異なる作品ではないでしょうか。
非常にわかりにくいレビューになってしまいましたが、とにかく、オススメです。
涙が止まりません
スカイ・クロラから一気に全5巻読みました。
最後の一文にやられました…
涙が止まりません。
ネタバレ注意!?森ミステリ?
これまでのシリーズ4作とは毛色の違う作品だと思いました。
「僕」の逃避行が描かれています。
「僕」はいったい誰なのか?というミステリ仕立ての展開。
キルドレ存在の謎にも触れられています。
・・・しかし、空を飛ぶことの解放感・爽快感を歌い上げていた前作までに比べると重いしもどかしい。
個人的にこのシリーズに求めていたもの(ミステリを読みたいわけじゃない)、
ここまでの4巻で表現されていたものとの落差をかんがえるとこの評価でした。。
シリーズ最終巻 スカイ・クロラへと話は戻る
戦闘機のパイロットたちを描いた「スカイクロラ」シリーズの最終巻です。
シリーズが全五巻ですから、最終巻の本書は、当然第五巻になります。普通はシリーズの最後の話になります。が、実は森博嗣らしいトリッキーな構成が仕掛けてあって、一番最初に出た「スカイ・クロラ」が実は時系列的にいうと最終巻になるので、この「クレイドゥ・ザ・スカイ」は「スカイ・クロラ」の時系列でいえば、四冊目。シリーズ最初の「スカイ・クロラ」へ繋がっていく話になります。
もちろん、シリーズ全編を通して読まなくてもいけるようにはなっているので、この巻だけを読んでも大丈夫は大丈夫ですが、たぶんこれを読んだらもう一度「スカイ・クロラ」も読みたくなると思います。
さて。
内容ですが、前作で撃墜されたクリタ・ジンロウらしき人物が主人公となり、彼が何より愛する空と敵パイロットとの空中戦から切り離され、自分たちキルドレの秘密を解明した科学者サガラアオイや、自分のことを気にかけてくれる娼館の女性フーコと逃避行する内容となっています。彼は、飛べなくなることを恐れ入院している病院から抜け出し、彼女たちと逃避行を繰り広げます。ただ、彼を追いかけてくる軍や彼のキルドレとしての存在に責任や葛藤を強く感じる組織が焦りを感じているのとは裏腹に、彼自身は何の焦りも自分自身についての深い感慨もありません。なんとなく流されて逃げているだけで、彼自身は常にふわふわとした自分の自我の中で、ただひたすらに空を飛びたい、戦いたいと願っているだけです。その心のありよう自体がキルドレである業といえなくもありませんが、そのように彼を可哀想がることや理解しようとすること自体を、彼、彼女らキルドレはナンセンスだし意味がないことだと感じています。彼らにとっては本当に空を飛ぶことだけが生きているということなのです。周囲の名前も、関係も、彼らには何の価値もないことなのです。
だから、彼らの世界はとてもクリアで透明で澄み切っています。
過去も未来もなく、ただただ空を飛んで戦うことだけが望み。そんなシンプルで余分なものがない世界に住んでいる彼らキルドレを描いたこの「スカイクロラ」シリーズはいずれも澄みきっていましたが、本作ではその彼らの中にも実はあったゆがみや滅びの因子みたいなものが極めて強い形で暗示されます。彼ら自身にとってはそれすらも意味がないものですが、その苦い部分が作品により奥行きを与えてくれています。いい形で最終巻を閉めたのではないかと個人的には思います。
とはいえ、ここまで書評めいたことを書いておいていうのもなんですが、このシリーズに関してはただただ読むというのが一番の楽しみ方だと思います。いろいろな謎を解明したりするのもありですが、ひたすら空にいるような浮遊感とクリアさに浸るというのが正しい読み方の気がします。