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だらしない人ほどうまくいく

だらしない人ほどうまくいく

出版社 文藝春秋
著者 エリック エイブラハムソン デイヴィッド・H. フリードマン
発売日 2007-09

この本に関する書評

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題名につられて購入。自分も整理整頓が小さいときから苦手で、今も机のうえも書類だらけ。とっても悩んでいた。

その悩みも、整理ができなくて仕事ができないということではなくて、片づけなきゃいけないということはわかっているんだけど、片づけられないというプレッシャーにあった。

そういう人には、とても心安らぐ一冊。

適度の『だらしなさ』がかえって仕事とかにいい結果をもたらすということが、よくわかる。

でも、これって、当たり前のことじゃないかなぁ。昔から何事も中庸が肝心だといわれている。過度にきっちりするのも、極端にだらしないのも、どっちも問題なんだ。要は、そのバランスをどう図るか、ということ。

ただ、最近の『なんとか整理法』ブームには疑問を覚えていたので、その意味では非常に参考になった。書類管理や時間管理、プロジェクトマネジメントは、きっちりしすぎちゃダメ。
日ごろから、机上の整理や整頓がなされていないことで、
とてもストレスを感じていた。
探し物がすぐ出てこないことで、ストレスを感じていた。

しかしながら、そのストレスが、自分自身が作り出しているものであり、
探し物をする時間は、そんなに長い時間ではなく、それが決定的な打撃となることはほとんどないということ。
もちろん、なくしてしまうということは取り返しがつかなくなることもあるが、
必ず机の上にあるのであれば、時間はかかっても見つけ出すことができると提唱。
それよりも、きっちりとすることにかかる時間と労力のコストが、
それによって削減することのできるコストに見合うものであるか見極める必要があると指摘。
まさしくそのとおり。

だらしないことに嫌悪感と罪悪感を抱いている人。
きっちりしていないことに対して、攻撃的に出てしまう人にお勧め。
 当たり前なようで斬新な発想!!トランプの例を用いた<きっちり系>と<だらしな系>の比較はわかりやすくて目からウロコでした。

 まあ、落ち着いて考えてみるとこのトランプの例が当てはまるような極端な場面はあまりないのですが、それでも「きっちり系にはコストがかかる」という発想は現代人にとって盲点でありすばらしい着眼点であると思いました。

 現実社会で考えると多忙な業務であればあるほどやはりきっちり系の必要性が生じ、コストも生じるがゆえにコストの少ないテクニックが必要になるというのが正解な気がします。少なくとも私の場合はそうですが、だらしな系の方が実は効率が良い人も多いのではないでしょうか。


 どちらが絶対に良いという考えではなく、きっちり系もだらしな系も一長一短であることを悟り自分にあった方法をとるというのが本書の正しい読み方であろうと思います。
 2007年を現す漢字が“偽”になった反動ではないでしょうが、ともかく規制,ルール強化が大きな流れになってきています。
 窮屈であれ、なんであれ、ともかく<きっちり>していることが求めらている世の中で、本著のタイトルが思わず目に飛び込んできました。
 “整理整頓”に関するノウハウ本が数多くある中で、<だらしな系>のメリットをうたった本著は、それだけでも一読の価値があると思います。
 <だらしな系>が必ずしも<きっちり系>に勝っているわけではなく、“どちらも度を過ぎると機能不全を起こす”という主張は、当たり前過ぎるのに新鮮です。
 “『鈍感力』があれだけベストセラーになるのだから、この本も・・・”出版社の企画担当の方も、きっとそう思ったことでしょう。
 実際は、それほど注目された本にはなっていないようですが、もっと売れても良いと思うのは、発想が<きっちり>しすぎているせいでしょうか? 
整理整頓、きれい好き、計画好き、きっちり、はいつもよいこととされ、乱雑、ごっちゃり、いい加減、だらしないのは常にダメとされるけれど、本書はそれが必ずしも正しくないことを述べたおもしろい本。整理整頓にも労力とコストがかかるし、未来のことはどうせわからないので計画や予定通りに事態が進むことはかえって珍しい。そんなものは無駄だし、そのために手間暇かけるのは愚かしいし、むしろ柔軟性を削ぐ結果になる、というもの。

乱雑さを愛する人々にはうなずけることばかり。訳も非常にこなれていて読みやすい。

が、原著からかなりカットされている。巻末に、それがすべて著者の承認を得ているという断り書きは(英語で小さく)書いてはあるがいささか不親切。特にそのカットによって、原著の笑えるまぬけな部分(日本の会議でエライ人がすぐに寝てしまうのは高度なマネジメント手法だとかなんとか)は削除されていて残念。また、巻末のポイントまとめ要約は、一応読者への工夫として親切なんだろうが、簡潔に整理してポイントをおさえるというのはそもそも本書の主題に反しているのでは?

とはいえ、原著との齟齬をいちいち気にする人でなければ特に問題視することでもないか。ただし(わが同類たる)乱雑だらしない派の方々は、本書を読んでもあまりいい気になりすぎないよう忠告しておく。多少の整理もバチはあたりませんので。