チベットそしてダライ・ラマについて興味を持ったのは、数年前にNHKのパンチェン・ラマの特集の放送を見たのがきっかけでした。 ノーベル平和賞受賞者であるダライ・ラマについては、その存在は非常に有名ですが、チベット第二の精神的指導者パンチェン・ラマの存在とそして第十一代の運命はそのとき初めて知りました。 それから、「チベットの7年(セブンイヤーズ イン チベット)」を読み、どうしてチベットはあそこまで追い込まれ、そしてその後チベットはどうなったのだろうという漠然たる興味がありました。 この本は、まさしくそれを教えてくれる本です。 第十三代ダライ・ラマの遷化にはじまり、今のチベット情勢までを伝えてくれます。 この本を読む限り、残念ながらチベットの将来は明るいものではありません。 少なくとも、亡命チベット政府が再びラサの地で独立を勝ち得るには、相当な困難があるだろうということが伝わってきます。 非常に丹念な取材と平易な文章のおかげで、かなりのボリューム(500ページ)もスムースに読みすすめていくことができます。
本書を読み終えて、非常なる困難・苦難の道を歩むダライ・ラマがいつも微笑みを絶やさずにいることの意味をほんの少しではありますが、私も垣間見ることができたような気がします。