情報
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灯台へ/サルガッソーの広い海 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-1)
出版社 河出書房新社 著者 ヴァージニア・ウルフ ジーン・リース 発売日 2009-01-17
この本に関する書評
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Amazonレビュー
この小説を読むまで、ロチェスターの妻、バーサがクレオールだと意識して「ジェイン・エア」を読んだ事はありませんでした。この小説を読んだ後に読み返してみると、やはり前のように手放しで面白いとは言い切れなくなります。勿論それはシャーロット・ブロンテの生きた時代の限界を反映しているだけなのですが。私も有色人種の女で、キリスト教徒ではありません。立場としては、バーサと変わらないと思うと愕然とします。同時に自分なりの視点や思想、定義といったものが、果たして本当に自分なりのものなのか、自らに問い直してみる事になります。作者のジーン・リースは寄って立つ所ない女を描かせると素晴らしいんですが、同時代の女流作家には、弱くて流されやすい女しか書かない、と非難される事がしばしばだったそうです。何の後ろ楯も、生活者としての武器一つ持たずに一人で流されるままに生きる・・・でも、世の中の大半の人間は、そんな寄る辺のない存在の筈。普段は忘れていたい人間の愚かさや弱さを焙り出す筆致は、ある意味残酷極まりないと思います。でも、寄る辺ない人間が増える一方の、こんな時代にこそ、その普遍性が露になる小説だと思います。自分の頭の柔らかさに自信のある、特に男性に読んで頂きたい小説です。
池澤夏樹の個人編集の世界文学全集の第2集の第1巻。
ヴァージニア・ウルフはブルームズベリーの一員として名前は知っていたが、読むのは初めて。楽しみにしていたんだけど、あの文体は、ちょっと読みづらいし、ストーリーも自分好みではない。
それより、まったく知らなかったジーン・リースのサルガッソーの広い海の方が、読んでて楽しかった。儲けものって感じ。まだまだ世の中には、読んでいない面白い小説があるってことの証拠だ。植民地の雰囲気が濃厚な小説。
ヴァージニア・ウルフはブルームズベリーの一員として名前は知っていたが、読むのは初めて。楽しみにしていたんだけど、あの文体は、ちょっと読みづらいし、ストーリーも自分好みではない。
それより、まったく知らなかったジーン・リースのサルガッソーの広い海の方が、読んでて楽しかった。儲けものって感じ。まだまだ世の中には、読んでいない面白い小説があるってことの証拠だ。植民地の雰囲気が濃厚な小説。
「サルガッソーの広い海」は、「ジェイン・エア」で、屋根裏に閉じ込められていたロチェスターの妻を主人公にして描かれたもので、このバーサが西インド諸島で育ったという設定から展開されたものだ。以前「広い藻の海」の題で訳された時はさして話題にならなかったが、ポスコロのおかげでまた有名になっている。が、文学作品としてはまったくの駄作である。単にポスコロで有名なだけ。「ジェイン・エア」のほうが遥かに面白い。政治的に正しくても文学作品はダメなものはダメといういい例である。三点つけたのは「灯台へ」があるからで、「サルガッソー」だけなら一点である。
ウルフ「灯台へ」は間違いなく彼女の最高傑作だ。この翻訳、よくできていると思う。私事で恐縮だが、私が初めて「灯台へ」を読んだのは岩波版だった。それも素敵だったが、これもなかなかだ。ストーリー自体は他愛のない家族ドラマであるが、そこにプラス・アルファとして画家、リリー・ブリスコウ(いい名前だなあ)が加わり、ドラマをさらに面白くしてくれる。
この小説でウルフは「ヴィジョン」という単語を何回も使う。当時、どの頻度でこの単語が使われていたかはわからないが、それでも立派に「モダニズム文学」だ。
ジーン・リース「サルガッソーの広い海」は・・・ちょっとお堅い感が抜けなかった。それでも、再読にたえうる良書だとは思う。ただ自分は、「灯台へ」の恍惚感が冷めやらぬ状態で読んだものだからそう思っただけ。けっして読みにくくはない。
「もう一つの『ジェイン・エア』」とうたい文句にあるが、別に「ジェイン・エア」を読んでいなくても「サルガッソー」は面白く読めると思う。「ジェイン・エア」は本書を読んだあとでもいいから読んでください、とは池澤夏樹氏のことば。
この小説でウルフは「ヴィジョン」という単語を何回も使う。当時、どの頻度でこの単語が使われていたかはわからないが、それでも立派に「モダニズム文学」だ。
ジーン・リース「サルガッソーの広い海」は・・・ちょっとお堅い感が抜けなかった。それでも、再読にたえうる良書だとは思う。ただ自分は、「灯台へ」の恍惚感が冷めやらぬ状態で読んだものだからそう思っただけ。けっして読みにくくはない。
「もう一つの『ジェイン・エア』」とうたい文句にあるが、別に「ジェイン・エア」を読んでいなくても「サルガッソー」は面白く読めると思う。「ジェイン・エア」は本書を読んだあとでもいいから読んでください、とは池澤夏樹氏のことば。