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座右のニーチェ (光文社新書)

出版社 光文社
著者 齋藤孝
出版日 2008-06-17
書評
座右のニーチェ
ハムりんの読書 おすすめの本 感想とあらすじ 
座右のニーチェ
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Amazonレビュー
熱くなれる本
松岡修造のあの熱さが好きだ。斉藤孝も熱い。なんたって「ミッション・パッション・ハイテンション」なんだから。その斉藤孝の勝手な解釈によるニーチェ本で限りない誤読だとの批評もあるが、これはニーチェの哲学を語る本ではなく、斉藤孝がニーチェを小道具にして自分の思いを熱くハイテンションで語るための本なのだ。私はこの本を高校生の娘に「読んでみ!」とプレゼントした。進路や人間関係に悩む彼女の背中を「そっと」ではなく「バン!」と思いっきり叩きつつ行く道を教えてくれる本だと思う。
これはニーチェではない
ニーチェが非常に多様な読解を許す思想家であるということは言うまでもない。しかし、本書において語られていることは、ニーチェの真摯さ、ラディカルさをまったくと言って良いほどに欠いている。ニーチェの発言を曲解して、ニーチェの思想を飼い慣らし牙を抜いてしまうくらいなら、そもそもニーチェを題材にすべきではない。そういう意味で本書は駄作だ。

啓蒙が必要な人はカーネギーでも読むと良い。
そして、ニーチェについて知りたいのなら、ニーチェ自身の著作に当たるべきだ。
誤読される権利
 「取り合えず 読んでみた」というのが 実感である。

 ニーチェの本は読んだことがないので 本書で斎藤が引用している各種の言葉が どれほどニーチェの望んだ方向で 紹介されているのかどうかが分からない事が 僕にとっての本書の難しさである。
 斎藤は 巧みにも「ニーチェを知りたいと思ったとき 理論を完璧に理解しなくていい。全体像がつかめなくても構わない。むしろ 一つのアフォリズムを座右の銘にし 大事にしていくことだ」と本書の冒頭で述べている。この宣言によって 斎藤は ニーチェの言葉を自由に使う権利を得た。そうして その「使い方」は ニーチェの趣旨に則っていなくてもよいことになったわけだ。

 「誤読」という言葉がある。本書は斎藤によって 自由に 若しくは 確信犯的に「誤読」されている可能性を常に感じた。
 但し 本は 発刊された瞬間に 著者の手を離れるものであるし 「誤読される権利」だってあると考えてもよいのだと思う。何より 読まれることが その本にとっては一番大事なのに違いない。
 そう考えると 本書経由でニーチェの著作を読む人がいるとしたら それは斎藤のお蔭であり ニーチェも そんな斎藤に感謝するのではないかと思う。

 いまだにニーチェを読んでいない僕が 本書に感想を言うとしたら 現段階では まだこの程度である。

雑草
高校生のとき「ツァラトストラ」を読破し、全集からドイツ語の原書まで読んでニーチェの影響悪影響を嫌というほど受けた私にとってニーチェは心の師であり、カントのような息の詰まる理路整然とした生き方や、ショーペンハウエルのような言動不一致な生き方より、その破天荒な生き方こそ人間的魅力に満ちた生き方に魅かれるのである。著者もそのように感銘した人物、なら同胞として歓迎したいところであるが、残念ながらニーチェについて全くと言っていいほど理解ができていない情けない文章の羅列であり、「彼岸の」ニーチェもこれでは浮かばれまい。むしろニーチェをダシにして自説を展開せんがための勝手な解釈が目立って、真のニーチェ支持者からは反発を買うだけだろう。ルサンチマンを嫉妬と同一に解釈したり(「キリスト教徒には奴隷根性のルサンチマンがある」というのは主人に対する嫉妬心を表した言葉ではないよ)、哲学に対する基礎知識が欠如している人間が、ニーチェのアフォリズムを自分勝手に解釈すること、これこそニーチェが最も忌み嫌ったことである。このような書物のためニーチェが記した言葉を、著者が熟読した、かどうかわからぬツァラトストラの中から引用してみよう:
「今や雑草は麦と呼ばれんとしている!」
今を力強く生きるための本
私はニーチェが好きです。

大学時代に少しかじった程度ですが、今もニーチェの言葉は励みになっています。
社会人になって11年目。仕事のプレッシャーに負けそうなときもありましたが、
逃げずにやってこれたのは自分の根底にニーチェ的な強さがあったからだと思います。

ニーチェが好きな理由は、人間の「生」を全面的に肯定する思想だからです。
いろんな哲学者がいますが、自分の行動を変え、よりよく生きるためにニーチェほど
大きな影響を与えてくれる人は居ません。

ニーチェの思想を厳密に理解しようとすれば、それなりの読み込みが必要であり、
この本は著者独自の解釈が入っている部分もあるかも知れません。
しかし、厳密に理解すること自体はさして重要ではなく、その思想をよりよく生きる
ためにどのように活用するかが最も重要です。

本書は哲学には縁のない人がニーチェの思想の一端を知り、よりよく生きるための
ヒントを得られるという意味で良書だと思います。何度も読み返したい本です。
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