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不連続の世界

不連続の世界

出版社 幻冬舎
著者 恩田 陸
発売日 2008-07

この本に関する書評

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Amazonレビュー

内容に関しては他のレビュアー様におまかせします。

主人公である塚崎多聞の言動・思考、各話の仕掛け、ストーリー構成。
そのうちのどれに作者が「不連続」の冠をつけたのか、それとも別の何かなのか。
それは私にはわかりませんが、読後の感想としては確かにシックリ来る気がするんです、『不連続の世界』というタイトル。
謎、不安、切なさ、怖れといった、精神の水面が波立つ感覚を味わわせてくれる物語のタイトルとして。
無論楽しめました。
☆4つでお薦めいたします。

ただし。
恩田作品に散見される、一種の偏りのある人物設定や、サプライズを意図するあまり、当たりハズレの差が大きくなりがちな物語終盤のストーリー展開&オチ(本作においては「最終話」)。
それらの点は本作でも健在(?)。
個人的には「ハズレ」の方に転がることも少なくないのが残念です。
単に「各人の好み」に過ぎないと言われればその通りですが、同様に感じる方もいるであろうと思うので☆はマイナス1。
純粋におもしろいです。恩田さんの作品は1つの場所で展開する話が多いのですが、今回は様々な場所で展開されるまさにトラベルミステリーでした。
(注)ちなみに本書の一篇「砂丘ピクニック」に登場する楠巴さんは「中庭の出来事」にも登場しています。
恩田陸の短編集!って感じです。
恩田さんのファンとして、とても楽しめました。
ホラーっぽくても最後にどこか救いのある、完全に地獄に落としきらない優しさがあって、それが恩田陸の好きなところです。(人によってはそれがぬるく感じるのかな?)
タイトルの不連続の世界ってのはあまりピンとこなかったですが、作品により書いた時期に10年くらい開きがあるそうなので、時代背景のずれ方がリアルでむしろ良かったです。それが不連続感につながっていたかも。
初めて恩田陸を読む方にもおすすめできる一冊だと思います。
「木守り男」、「悪魔を憐れむ歌」、「幻影キネマ」、
「砂丘ピクニック」、「夜明けのガスパール」の5編からなる短編集です。
実はあとがきを先に読んだところ、
本編の主人公・塚崎多聞が未読の「月の裏側」に出ていたことを知り、
あわててそちらから読みました。
分類としてはホラーだと思うのですが、最後がまたいつもの「恩田節」で、
不思議な気分で終わってしまいました。
そしてその余韻を引きずりつつ、本作を読みました。

こちらはトラベルミステリーでした。
どれも込み入った話ではなく、比較的読みやすいと思います。
そんななか、表紙にもなっている尾道(と思われる街)を
舞台にした「幻影キネマ」を、わたしは一番面白く読みました。
子供の頃から思いこんできたことの謎が解けるときは、
その答えはあまりに簡単なものなんですね。
ちょっとホッとする話でした。
そうかと思ったら、ラストのお話はなんだかそれまでの4編を根底から覆すような、
わたしには衝撃的なものでした。
やっぱり恩田作品だわ・・と思って本を閉じました。
主人公の「塚崎多聞」が「月の裏側」という作品の登場人物だったことは、あとがきを読んで初めて知った。「月の裏側」は読んでいない。
が、ちゃんと楽しめる。
日本各地を舞台にちょっと怖い謎をレコード会社に勤める多聞が解いていく。
その謎がどれもちょっと不気味である。
そして、謎を解いた後も何かすっきりしない感が残る。
この作品の場合、そのすっきりしない感が却っていい雰囲気をかもし出しているともいえるが、やはりもう少しすっきりしたかった。
特に最後の短編、ずっと多聞の推理を信じてふむふむと読んできた私には
最後にさらに不安な気持ちにさせられて終わった感じだ。

それぞれの短編が奈良だったり、尾道だったり日本の情緒ある土地を舞台にしていて
それは旅情を誘ういい感じをだしている。その点は○。