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われ、謙信なりせば (祥伝社文庫)

われ、謙信なりせば (祥伝社文庫)

出版社 祥伝社
著者 風野 真知雄
発売日 2008-07-24

この本に関する書評

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Amazonレビュー

華々しい合戦場面はほとんどなく、その大半が登場人物の心理描写という、ある意味めずらしい時代小説である。クライマックスは会津から陣を引いて関が原に向かう徳川軍に対し、上杉軍が追撃するかどうかという場面だが、「義」に対する景勝、兼続主従の考えの違いを浮き彫りにする。

奇想天外なストーリーではなく、さもありなんという筋書きなので、読み終わって腑に落ちるのだが、なんとなく物足らなさも感じてしまう。
大河ドラマ関連として読んだが、
野望を描きながらも名補佐役としての器でしかない兼続の悲哀が描かれていて
「天地人」よりも読み応えがあった。

あまりにも大きな影響を及ぼし続ける謙信の影を踏みながら生きる
景勝&兼続主従が抱えるズレの描写が
他作品と違っていて面白い。
父を殺されたと思いながらも謙信の義を継いでいこうとする景勝に対して、
謙信にレイプされそうになったトラウマが胸の奥でくすぶっていて、
他の人間のように謙信に心酔できない兼続。

「天地人」のようにキレイ事ばかりでなく、
暗殺や謀殺にも関わった兼続のことが書かれていた。
本多正信が非常に印象深いキャラだったのに、
次男が兼続のムコになった経緯に関しては、ほとんど描写がなく肩透かしだった。
もう少し晩年の上杉家の経世済民に関して描写してくれると良かったなぁと思う。
それにしても
まともに側室を持たなかったばかりに、作家ごとに違う愛人を捏造される兼続だが
この作品での相手は・・・・・・いいのか、これで?