情報
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グリフィンの年 (創元推理文庫)
出版社 東京創元社 著者 ダイアナ・ウィン ジョーンズ 発売日 2003-08
この本に関する書評
Amazonレビュー
ダーク魔術師の末っ子のエルダが主人公。魔法学校を舞台に、グリフィンや人間やドワーフなどが入り乱れて活躍する。
著者らしい柔らかい筆致が魅力的。込み入っていたストーリーが、最後にすっきりまとまり、解決へと向かう構成力も見事。
ただ、読み終わって何だかモヤモヤしたものが残るのも事実。柔らかな文体といかにもな大団円に誤魔化されそうになるが、けっこう残酷な物語であり、積み残された問題も多いような気がする。
〜講師は研究者であって、教育者ではない〜と、誰かに言われたことがある。そんなような視点が あちらこちらに ちらほら。ニヤリとする。
いろいろな ドタバタが 終わりの方へいくうち、順序正しく?絡まりあって 解けていく。作者にとっては、珍しくスムーズな運びかも?
最後の方で たくさんの恋が 花咲く。
唐突に 恋に落ちるのだが、むふ〜、現実の恋も こんなもんかもしれないなぁ。☆
この世界の続編があれば、きっと 読む。
ダークホルムの闇の君もグリフィンの年も暗い印象のタイトルと装丁、創元推理文庫のDWJは初めてということで食指が動かなかったのですが、読んでよかったです。
前作がチェズニー氏によって支配された世界を救うドタバタ革命物語であるとすると、
今回の8年後の舞台は魔術師大学を中心としたドタバタスクールものです。
前作では平淡に冷淡に殺戮や血生臭い戦闘シーンが次々と書かれる部分もありましたが、今回はスクールものでずっと安心して読めました。
主役はエルダ1人というより6人新入生全員で、6人とも個性的で目が離せなくなりました。
前作ではただの変人扱いだったダークも、ずっと偉く、箔がついた感じですし、ケリーダは引退後も相変わらずです。
ブレイドとキットも、世界最強の魔術師と目されているのもニンマリ。
チェズニー氏の巡礼観光会時代のからの8年の歳月は大学や周辺諸国が独自の歴史を積み重ねているようで、
前作に登場した国や人物の知識も深まって、ナルホドと思うところがたくさんあります。
新登場のフリューリィの繊細な描画、シェイクスピアの喜劇や宮崎駿を思わせる高尚な?大団円。
ちょっと、こんがらがる部分もありましたが、6人が自分自身を見つめなおし成長していく過程も示唆深く、繰り返し読むのが楽しみです。
次回作ができることを願ってやみません。
グリフィンと言えば、ルイス、キャロルの「アリス」が原点?
(テニエルの挿し絵がまず頭に浮かびます)擬人化された動物たちも印象的。バラエティに富む新入生がドタバタするのはコーカサスレースの元ネタから?で、アリス的なネタを、この作品でダイアナ氏は一般的な子供向けレベルにアレンジして遊んでいるような印象をうけます。
本歌取りという和歌の手法がありますが、良し悪しではなく(先行作品があるからこそ、今のファンタジーやSFの広がりがある訳ですが)本歌取りした歌を素晴らしいと手放しで誉める前に、元歌(元ネタ)を知って欲しいと思います。
ダイアナ、ウィン、ジョーンズ氏の訳者や解説書きの人は知っていてぼかしているのでしょうが、言わなくても分かるよね?と言う程、対象読者層が大人では無んじゃないかと。
パワーは感じて楽しいのですが、面白みが私的にはすこ~し足りない
作品でした。
まず、大魔術師ダークの娘エルダ、彼女はなんとグリフィン。そして逃亡してきたドワーフのラスキン。お次は、素性を明かさない美女オルガ。大学入学を知られると命を狙われると言うフェリム。皇帝の妹なのに元老院から疎まれているクラウディア。王子であるのに貧しい身のルーキン。6人とも大学入学を反対されており、ここにいることを秘密にしていた。なのに、大学は彼らの家に寄付を募る手紙を送ってしまった!刺客は来るは、食堂は占拠されるはで、彼らの大学生活は波乱万丈。この危機を乗り越えられるのか?
少なくとも7回は読み返しました。面白くて、読み終えた直後にまた読み直したくなり、続けて3度読んだりしました。次から次に起こる事件も突拍子もなくて好きですが、その合間にある6人の仲間意識・友情に心惹かれます。寮の部屋に入りきらないグリフィンも、背が低くて逞しいドワーフも、緑がかった肌の沼族も、そういう垣根を取っ払って普通に仲間として団結してる様に、温かいものを感じます。
魔法に対する考え方も、独特のもの。既成概念に捕らわれた頭の硬い教授連が、6人の魔法に目を白黒させて慌てる様は、既製品ファンタジーに収まりきらないこの本が、凝り固まった読者に泡を吹かる様子とも重なります。
1作目を読んでないと、理解しにくい箇所があるので前作を読んだ後にトライすることをお勧めします。スカッとする楽しい本です。