情報

グリーン革命(上)

グリーン革命(上)

出版社 日本経済新聞出版社
著者 トーマス・フリードマン
発売日 2009-03-20

この本に関する書評

この本について書かれているページがありましたら、ご自由に登録して下さい。

Amazonレビュー

世界規模の取材と、身近な事象の語りからはじまる、その後の壮大な展開は、
さすがのフリードマン。読ませます。

日本語版のタイトルは秀逸で、これは売れますね。
「暑く、フラットで、そして人口密度が高い(混んでいく)地球環境」では、
なんだかわからんし。これは冗談ですが。

膨大な取材とインタビューから、アメリカのこしかた行く末を展望しながら、
環境保護やCO2削減、さらにエネルギー革命をめぐる、政治学的なコト、民俗学的
なコト、地政学的なコト、そして経済成長著しい中国と、アンチ帝国主義的パワーと
石油パワーの源泉たるアラブ勢力までを包括しながら、アメリカの生きる道は
環境革命、その名も「コード・グリーン」エネルギー革命にある、と説いていく。

お話のプロットとしては、前作「フラット化する世界」の続編ともとれる書き方で、
世界規模で突き進む、新興経済圏の驚異的なGDPの伸びと裏腹に
環境破壊と、その影響なのか、どうなのか、地球規模での気候変動(たとえば
ハリケーン・カトリーナ)とノアの方舟的見地を盛り込みながら、上巻では、
米国市民が進むべき、取り組むべきグリーン革命のロードマップを考察する
ところで、下巻に続いている。

相変わらず、精力的でエネルギッシュで、読者に興奮を与えるベストセラーではあるけれども、
ちょっと、オバマ政権の政治的、政策的なプロパガンダ的においがするのが気になります。
著者トーマス・フリードマンの「フラット化する世界」に続く本。
この本「グリーン革命」は、
全ての人間に平等の「地球」について。

先進国は排出温暖化ガスの取り締まりをスタートした。
しかし、新興国・途上国は過去の先進国のようにエネルギーをガンガン利用している。
特に彼らが目指すモデルはアメリカ。エネルギー体制が悪循環、でもこれが現実。

“年中常夏の地球に人口90億人”、
2050年には実現するかもしれない。
やばい、やばいぞ地球!

フラット化したことにより、資源の取り合い合戦がより激化している。
アラブ諸国は欧米に呑み込まれないように、独裁者は自国を守る策として宗教強化を取り入れた。
他の石油保有国も同様に、国民の自由度を取り締まるにつれて原油高が上昇。
やばい、やばいぞ日本人!
このままでは、またどこかで戦争が起こりそうな予感。
日本も一刻も早くエネルギー依存からの脱却を実現しなくてはいけない。


まるでNHKスペシャルを見ているような感覚。
ピューリッツアー賞を3度受賞している著者。納得。
1つのテーマ―に対して世界中の知識人とのインタビューや実体験に基づいてい書かれている。
まるでNHKスペシャルを見ているかのようなドキドキ感。
「フラット化する世界」があまりに凄かったため期待は高まる一方、即買い即読みましたが、これなに・・・というのが正直なところ。「フラット化する世界」では、アメリカからPCとインターネットによりIT革命が世界に拡がり、情報へのアクセスが均等化した様子が描かれていて衝撃を受けましたが、今回は日本では第一次オイルショック以降に国是となった省エネについてが主体です。時代を反映しエコについても書き込まれていますが、日本からは周回遅れで、省エネとまだ未分化の段階のようです。もちろんフリードマンですから筆達者ですが。皆さん、そんなに面白かったんですかね・・・というのが私の感想です。
原題は「Hot, Flat, and Crowded」ですが、邦題の方がしっくりきます。
流行の「グリーンに暮らす7つの方法」的な牧歌的な意見ではなく、血税を投じた公共投資により、新エネルギー時代をきり拓こうという野心的な目的の上に書かれています。「革命」に血が必要なように、温暖化対策には犠牲が必要です。そのための準備をアメリカ国民に促しています。
上巻のコンテンツは:
(1)現状を直視する〜アメリカはエネルギーを浪費しすぎる。台頭する新興国の成長をみると、絶対的なエネルギー量が不足する。エネルギー格差、エネルギー貧困の発生
(2)なにが問題か?
 a アメリカ的消費文化が世界を席巻している
b 原油価格が上昇すると、石油産出国が民主主義から遠のく(これは興味深いデータがでていました。必見です)
 c 地球困惑。気候変動による経済ロス(農業など)、生物多様性ロス
 d エネルギー貧困によりフラット化した世界の恩恵が得られない

(3)では、どうすればいいのか?
クリーンエネルギーへの公共投資。具体策は下巻へ…

環境問題を包括的にみる、良著です。政策に携わる方、環境問題に携わる方、工業に携わる方は、一読をお勧めします(かといって、すべてマネする必要はないでしょうけど)。翻訳も読みやすく、まるで原文を読んでいるようでした。

残念な点は意見をサポートする根拠がジャーナリストらしく新聞記事が多く、査読を通した論文は少ないところです。
■いわゆる「エコ」なだけの観点ではない
 通常、エコだとか環境問題だとかいう話は、
 「地球の平均気温が**度上昇」とか「**島が水没の危機」とかいった、
 いまいちピンと来ない話が多い。
 ⇒本書では石油利権など地政学的な話もあり興味深い

■問題意識が高まる
 読むと確かに問題意識が高まる(ような気がする)。
 地球温暖化ではなく「地球惑乱」と表現すべきとあるが、
 確かにそのほうが問題意識は高まる。

■「グリーン革命」?
 ちなみに原著のタイトルは「Hot, Flat, and Crowded」。
 グリーン革命という言葉も本書の中に出てくるが、どうもしっくり来ない。
 グリーンというと濃厚に「エコ」とか「環境保全」とかのイメージがあり、
 先入観で「そういう本か」と思い込んでしまう危険がある。
 このタイトルに減点1点。