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図書館 この素晴らしき世界

図書館 この素晴らしき世界

出版社 勉誠出版
著者 藤野 幸雄
発売日 2008-12-08

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Amazonレビュー

 長年図書館員、図書館情報学教員(最後は図書館情報大学副学長)までつとめ、定年退職後は全国の司書養成課程で教鞭をとりつづけている。その生涯図書館セールスマンとして、カリフォルニアで図書館学大学院を修了して、国際交流基金の図書館を世界的に評価にまで高めて、その後教鞭とともにイギリス、ロシア、中国などでさらに図書館業務にも携わりながら、研究にも力を入れたポリグロット藤野さんの生涯を圧縮して書き上げられた1冊で、日本における図書館の社会的地位の低さを憂い、将来図書館を担う若者達に図書館の素晴らしさを自らの体験と図書館史で綴った。大変判りやすい明晰な文章で描かれ、著書の面目躍如たる仕上がりである。本来の専門はアルメニア語とアルメニア史であった関係で、十指に近い言語を操るポリグロットだけに、古代のアレキサンドリアから中世ヨーロッパの図書館員に職能はまず言語学者やテキスト校訂者であった旨など、図書館員と学者稼業が必然的に結びついている過程などの分析は、決して素人向けだけではない。現職の図書館員ですら忘れていることを指摘しており、図書館の本質の奥深さを語っている。
 23ページのカーネギー図書館の総数を3000を超えるとしたのは、間違いで2500強であるが、全体としてはまとまりもよく、図書館概論の副読本や教科書としても使えるくらいに充実した内容構成である。流石に、生涯図書館学者を勤め続ける自負が現れ、図書館への大きな恩返しが果たされている。著者が前書きで指摘しているように、日本の知力を上げるために、図書館を再度見直すために多くの人に読んで欲しい本である。