書評
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Amazonレビュー
宇宙とパラドクス好きには涎がでる
事の始まりは、物理学者エンリコ・フェルミが1950年にロスアラモスで漏らした言葉だった。
「みんなどこにいるんだろうね」
当時、空飛ぶ円盤の目撃情報が新聞を賑わせていた。様々な巨大な数の計算をあっという間にこなすフェルミが、知的な地球外生命体がいる確率を計算したのだろう。その数は明らかでないが、存在する確率に達したのだろう。それなのに証拠が見あたらないのは何故なんだろう。それがフェルミのパラドクスである。
この本はそれに対する答えを、様々な分野(SF、哲学、天文学、生物学)などから49個選択し、それぞれに批評を加えている。答えは大まかに3つに分類されている。
1実は来ている
2存在するがまだ連絡がない
3存在しない
そして最後に50番目に筆者自身の回答を掲載している。
私としては、フェルミの同僚が暫くして答えた第1の回答が気に入っている。それは、フォン・ノイマン等を始めとするロスアラモスに集まった英才らを念頭に置いた回答だ。「ハンガリー人と名乗って生きている」・・・最高の回答だ。
他にはない貴重な著書
佐藤勝彦氏の著書で紹介されていたので購入しました。
結構分厚い本ですのでボリューム満点です。
著書としてはわかりやすい構成となっているかと思いますが、
著者が専門的な科学者ではないせいか、文献を集めたものを紹介するにとどまっている感じが否めません。
よって星4つとしました。
宇宙の孤児
どんなに地球が特殊だと言われても、人間は地球をスタンダードとして育つからまったくもってピンとこない。「はぁ、そうですかぁ?」などと言っているうちに”地球幼年期”にまで達せず消えてしまうのかもしれない。けれどもそれを誰が責めることができるだろう。”知性のゆりかご”があまりにも小さすぎたのだ。せめて地球が太陽ほどの大きさがあれば、事態はもう少しなんとかなったのかもしれないが・・・
多岐にわたる丁寧な考察で、今は亡きフェルミの疑問に答える
物理学者ウェッブの書の邦訳版。マンハッタン計画の中心人物であったフェルミは、宇宙には多数の知的生命体(ETC)が存在するはずだとフェルミ推定を用いて考察した。しかし、現時点まで全くその痕跡が存在しないことと矛盾する。これがフェルミパラドックスと呼ばれるものである。本書では、これまでに考察された多くの解のうち49の回答を詳細に検討して紹介し、50個目の解として著者自身の考えを述べている。370ページほどの本文は、ある程度物理が好きな高校生以上が数日かけて読む分量。
エンリコ・フェルミは物理学史上最高の頭脳を有したとも言われているが、53才の若さで死亡したこともあって、彼を詳細に紹介した書は少ない。本著者が今は亡きフェルミを尊敬し、彼に表して敬意を表していることは、前半の短い章から伝わってくる。また、あとがきにあるように、宇宙人がいるかどうかを問うと、『いるにきまってる』『いないにきまってる』と頭ごなしに決めつける者が多い中で、それぞれの可能性を丁寧に検証する者がほとんどいないのが現状である。これでは人類の知性は発達しない。そう言った意味で、本著者の教育的配慮が理解できる良書と感じた。また、本書に網羅されている広範囲におよぶ仮説は、多くの映画や小説の元ネタとなっており、SF小説・映画ファンには目から鱗が取れる想いで読むことができる。もちろん生物とは何か、知性とは何かという生物学的な問いについても考察している。
難点は、物理学に興味がなければ読むのが辛くなってくるような気がする一方で、50ものアイデアを紹介する以上、十分に踏み込めていない解もある点。
個人的には無条件で楽しめたため、星5つとしたが、物理に興味のない他人への推奨度は星4つ程度かもしれない。
宇宙に対するパラドックス
一般人が宇宙の知的生命体の存在の可能性を考えるとき、これだけ宇宙は広く星の数も数限りなくある故に統計学的に地球と同様な条件を備える星が何個か有る。そこには地球人と同等もしくはそれ以上の知的生命体が存在するはずだというロマンがあります。今見える星の光は少なくとも億光年単位、遠ければ何十億光年離れており地球人が発見した物理学や生物学が真実なら地球に来れるはずはないのです。また生物学的にみると生命の発生から知的生命体までへの発展は天文学的な難しさがあり、まず不可能これらを証明するためにあらゆる可能性を考えてみるという手法で作者は問いかけます。そこから導かれるのはこの限りなく広い宇宙に存在するのは地球人のみ、地球は唯一無二の奇跡の星だということですこの哲学的な結論は宇宙に地球人以外誰もいないという寂しさと、唯一無二ゆえの愛おしさ=パラドックスロマンを導かせる不思議な作品だと言えます。