書評
この本について書かれているページがありましたら、ご自由に登録して下さい。
Amazonレビュー
宇宙の孤児
どんなに地球が特殊だと言われても、人間は地球をスタンダードとして育つからまったくもってピンとこない。「はぁ、そうですかぁ?」などと言っているうちに”地球幼年期”にまで達せず消えてしまうのかもしれない。けれどもそれを誰が責めることができるだろう。”知性のゆりかご”があまりにも小さすぎたのだ。せめて地球が太陽ほどの大きさがあれば、事態はもう少しなんとかなったのかもしれないが・・・
多岐にわたる丁寧な考察で、今は亡きフェルミの疑問に答える
物理学者ウェッブの書の邦訳版。マンハッタン計画の中心人物であったフェルミは、宇宙には多数の知的生命体(ETC)が存在するはずだとフェルミ推定を用いて考察した。しかし、現時点まで全くその痕跡が存在しないことと矛盾する。これがフェルミパラドックスと呼ばれるものである。本書では、これまでに考察された多くの解のうち49の回答を詳細に検討して紹介し、50個目の解として著者自身の考えを述べている。370ページほどの本文は、ある程度物理が好きな高校生以上が数日かけて読む分量。
エンリコ・フェルミは物理学史上最高の頭脳を有したとも言われているが、53才の若さで死亡したこともあって、彼を詳細に紹介した書は少ない。本著者が今は亡きフェルミを尊敬し、彼に表して敬意を表していることは、前半の短い章から伝わってくる。また、あとがきにあるように、宇宙人がいるかどうかを問うと、『いるにきまってる』『いないにきまってる』と頭ごなしに決めつける者が多い中で、それぞれの可能性を丁寧に検証する者がほとんどいないのが現状である。これでは人類の知性は発達しない。そう言った意味で、本著者の教育的配慮が理解できる良書と感じた。また、本書に網羅されている広範囲におよぶ仮説は、多くの映画や小説の元ネタとなっており、SF小説・映画ファンには目から鱗が取れる想いで読むことができる。もちろん生物とは何か、知性とは何かという生物学的な問いについても考察している。
難点は、物理学に興味がなければ読むのが辛くなってくるような気がする一方で、50ものアイデアを紹介する以上、十分に踏み込めていない解もある点。
個人的には無条件で楽しめたため、星5つとしたが、物理に興味のない他人への推奨度は星4つ程度かもしれない。
宇宙に対するパラドックス
一般人が宇宙の知的生命体の存在の可能性を考えるとき、これだけ宇宙は広く星の数も数限りなくある故に統計学的に地球と同様な条件を備える星が何個か有る。そこには地球人と同等もしくはそれ以上の知的生命体が存在するはずだというロマンがあります。今見える星の光は少なくとも億光年単位、遠ければ何十億光年離れており地球人が発見した物理学や生物学が真実なら地球に来れるはずはないのです。また生物学的にみると生命の発生から知的生命体までへの発展は天文学的な難しさがあり、まず不可能これらを証明するためにあらゆる可能性を考えてみるという手法で作者は問いかけます。そこから導かれるのはこの限りなく広い宇宙に存在するのは地球人のみ、地球は唯一無二の奇跡の星だということですこの哲学的な結論は宇宙に地球人以外誰もいないという寂しさと、唯一無二ゆえの愛おしさ=パラドックスロマンを導かせる不思議な作品だと言えます。
フェルミのパラドックスは解決した
宇宙人問題を考えるということは、
知性とは何かを考えることに辿り着き、
認知科学や動物行動学の話題が特に面白かったです。
擬人化して考えることは誤謬を生むという作者の主張は、
科学教の信者は忘れてはならない。
天文学ネタでは、
生命が発生する確率は10の130乗分の一と
具体的な確率が明記されていて良かったです。
百億を13回掛け合わせた分の一です。
宇宙の歴史は百五十億年=5兆4750億日=131兆4000時間=7884兆分=47京3040兆秒である。
一番短い時間は10のマイナス43乗秒と言われるから、
10のマイナス43乗秒に一回生命が発生するチャンスがあったとして、
可能な試行回数は、47304×10の60乗=4.7304×10の64乗
大サービスして10の65乗回としても、10の130乗回には達しませんな。
丁度半分。
300億年経たないと宇宙には生命が発生してはいけないのです。
300億年経っているのなら、宇宙に生命が発生してもいい。
だが、150億年という若い宇宙に地球人がいるので、
今の宇宙にいる宇宙人は地球人のみと判断するのが科学的です。
300億年に一度の奇跡がポンポン起こるわけがない!
これは50の理由のひとつにしか過ぎないが、
ジョーンズ理論と呼ばれ私が一番好きな理由です。
一番笑った理由は、
宇宙人は宇宙人の惑星で宇宙人のインターネットするのに忙しく、
他の星になど興味を持たない説である。
面白いです
宇宙人がいる、いるけどまだ来ていない、全くいない等、いろんな説を科学的立場に立って解説した本。
なかなか面白いが、訳書なので、全体的に少し読みづらいかな。