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きりのなかのはりねずみ (世界傑作絵本シリーズ)

きりのなかのはりねずみ (世界傑作絵本シリーズ)

出版社 福音館書店
著者 ユーリー ノルシュテイン セルゲイ コズロフ
発売日 2000-10-01

この本に関する書評

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Amazonレビュー

霧の中の静けさを深く感じさせる絵本です。ロシア出身とだけあって、その絵の表現も他国の絵本とは違います。アメリカや北欧、またはフランスやベルギーのような絵本とは異なり、色使いに独特の深い暗さがあり、沈黙があり、温かさがあり、幻想的な一冊です。
子供(4)のクリスマスプレゼントに買いましたが、私も気に入りました。こぐまくんと星を一緒に数えるために霧の中を出かけて行くはりねずみくん。最後にこぐまくんと一緒はいいな、と温かく感じるはりねずみくんがなんとも愛らしいです。
母子でゆっくりと向き合って静かに語りかけたくなる美しい一冊です。途中で出てくる霧の中に浮かぶ白い馬も美しく、そして少し切なくもあります。一生大切にしたい、芸術的な絵本だと思います。

スタジオジブリの面々が心酔していることでも有名な
ロシアのアニメーション作家の絵本である。
土台となったアニメーション、『霧につつまれたハリネズミ』の
美術監督ヤルブーソヴァが絵を描いている。

画面全体を覆う、ラファエロ前派にも似た濃青色の夜の森、
白い蛾や馬、白地に赤玉の袋といったルドンにも似た差し色、
幻想的で、かつ鮮やかな色の風景は
人が畏れ多いものと近かった頃の、原初の記憶を呼び覚ます。

口当たりのいい流動食のような、
子供の絵本にはない豊穣な世界がここにある。
この作品は、元はアニメーションで、DVD「ユーリ・ノルシュテイン作品集」に収められています。(タイトルは「霧につつまれたハリネズミ」)
私はノルシュテインさん、ヤルブーソヴァさんの大ファンですが、残念ながら、この絵本には★3つ以上をつける気にはなれません。

言うまでもないことですが、「音と映像」から作り出される「アニメーション」の良さと、
「言葉と絵」から作り出される「絵本」の良さは、全く異なります。
そして、この「霧につつまれたハリネズミ(きりのなかのはりねずみ)」という作品の表現は、アニメーションこそ最適と感じます。

「音と映像」でこそ醸し出される、何ともいえない雰囲気。リズム感。
・・・例えば、井戸を覗き込むふくろうのユーモラス。
白い羽虫たちのスピード感。
忘れ物に気づいたハリネズミの緊張、動揺、そのあわてっぷり。
霧の中から出て来る正体の知れないものの怖さ、不思議さ。
川の魚に身を任せ、ゆったりと流されていく気分・・・

どれ一つをとっても、絵本ではとてもとても、伝えきれないのです。
もちろん絵自体は本当に素晴らしいので、画集のように楽しむには、最高の一冊です。
しかし、この絵本を読んだ読者が解ったつもりになってしまって、アニメを見る機会を逃してしまうことがあれば、
それは本当にもったいない、残念でならない・・・と思うのです。

どうぞ、この本に興味を持たれた方は、DVD「ユーリ・ノルシュテイン作品集」を御覧になってみてください。
このDVDは「霧に・・・」以外にも「話の話」など、決してこれを観ずに死んではイカーン!という大傑作も含みます。
また、近年は夏休みの時期になると、阿佐ヶ谷の映画館でノルシュテイン作品の特集が組まれます。「霧に・・・」ももちろん上映されます。
機会があったら、ぜひ御覧になってください。
言葉では伝えきれないほど、本当に素晴らしいです。
人生の宝です。少しも大げさでなく。
多分、何度も通い慣れた道なのでしょう。
けれども今日は何か違う。
日は暮れ、霧も立ち込め、自分が何処にいるのか
分からなくなる。
そうなると、おっかなびっくり、いつもと違うものが見えてくる。
精神的異次元に初めて迷い込んだのだろう。

大人となった今ではなかなか味わえない感覚、
あぁ昔こんな不安に襲われたことがあったなぁ。

やっとこぐまの家へ着く。おしゃべりをしながら、
「こぐまくんといしょはいいな」
としみじみ感じる。そして
「しろうまさん、どうしているかな」
と、霧の中で見かけた幻影のような白馬を
気にかける。

少したくましく、よりやさしく
ひとつ山を越えた達成感を感じたことだろう。

   
登場するキャラクターがみんな可愛らしいです。
特にお友達のはりねずみ君とこぐま君は、お互いに相手を気遣うところとかがとてもいじらしいです。

読み進めていくうちに、自分も霧のなかで迷い始めているような気分になってきます。(霧の中のページは、字も霧の中みたいに読みにくいです。。。)

でもはりねずみ君は、いたずらに不安になったりせずに、友達のことを考えたり、大切なもののことを思ったりしながら霧の中を進んでいきます。

もしはりねずみに生まれ変わったとしたら、こんな風に生きたいと思わせるような物語です。

普段忘れてしまいがちな優しい気持ちを思い出させてくれる1冊です。