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花になった子どもたち (世界傑作童話シリーズ)

花になった子どもたち (世界傑作童話シリーズ)

出版社 福音館書店
著者 ジャネット・テーラー ライル
発売日 2007-11-01

この本に関する書評

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Amazonレビュー

大好きな市川里美さんの作品をたどるうち、この物語に出会いました。
モノクロで見るイラストはいつもの絵本と異なり、ちょっと新鮮でした。
物語にそった絵がふんだんに添えられており、けっこう堪能しました。
でも、見開きで描かれたものなど、クライマックスにあたる部分のイラストは
ぜひカラーで楽しみたかったな……というのが本音です。

さて、物語は大人のエゴと子どもの言い分が相容れぬままスタートします。
母が亡くなり、営業で出張ばかりの父は、独断でオリヴィアとネリー姉妹を
父の年とった伯母、ミンティーのところへ、夏休み中預けることを決めてしまいます。
きかん気で感情の起伏の激しい5歳のネリーの面倒を、他人同然の人が
みられるわけがないと、オリヴィアが危惧するのに、無視されてしまいます。

年寄りのミンティーおばさんの家は田舎で、草深い庭があります。
ぎくしゃくと始まった三人の生活でしたが、ある時この庭にまつわる
ふしぎなことが重ねて起こります。
劇中劇ならぬ作中作のかたちで、この本と同じタイトルの
『花になった子どもたち』という物語がはさまれ、導かれるようにミンティーおばさんの
庭にも、謎にみちたできごとが出現するのです。
この家に昔住んでいた作家が書いた物語は、まさにこの「庭」で起きた
ミステリーめいたファンタジックなお話だったのです。
物語の庭と、現実のミンティーおばさんの庭がリンクし、オリヴィアとネリーは
(どちらかといえば、幼いネリーのほうが)物語の謎を解こうと躍起になります。
物語と現実を行き来するかのような臨場感にどきどきさせられます。

大人が決してありのままのことを自分たちに告げてはくれないことを
知っているオリヴィアは、その裏をかくような行動をする子どもでしたが、
このひと夏の時間は、心を外へ開放する心地よさを覚えさせたようです。

最後の1行までお楽しみと驚きがあったのは「!!」でした。