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こんな日本でよかったね─構造主義的日本論 (木星叢書)

こんな日本でよかったね─構造主義的日本論 (木星叢書)

出版社 バジリコ
著者 内田 樹
発売日 2008-07-12

この本に関する書評

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Amazonレビュー

私だけの感じたことかもしれないが、著者の目線が気にかかった。
目線というよりスタンスかもしれない。
そのスタンスのレベルが一段と高いところから眺めて書かれているように思いながら読み終わった。
横文字が多いし、偉大な哲学者などの引用もかなり多く、普段お目にかからないような単語も結構多く使用されているような気がした。
本書の中で、著者が小泉、安部政権に対してかなり批判的なことを書いている部分が私にとって一番の救いであった。
まー、本なんて解ってくれる人だけに解ってもらえばいいのだが、「こんな日本人でよかったね」なんていうタイトルではなく、副題「構造主義的日本論」のほうが、この本のタイトルにふさわしいのではなかったかな?
「今回は明治維新、第二次大戦後に引き続く第3の変革期である」、ということをこれまで何回聞かされただろうか。「まるごと・一から・刷新と聴くとはしゃぎだすのが日本人である」、という筆者の論に思わず納得してしまった。

日本がもうだれの属国でもない、と思ったのは1894年から1945年までの50年間だけで、その間、ずっと戦争ばかりしていたという説。
1945年から続いた60年間にわたる解離の時代がひとまず終わって、アジア諸国は再び凝集の方向に向かっているのではないかという説。

これら以外にも、喧騒の今の時代に、少し別の視点で考えさせられる内容を多く含んでいました。
「昭和のエートス」のほうが、するっと入って来ました。

こちらのほうが、意外に難解です。

ときおり「冴え」を見せる箇所は、さすが内田先生!といった感あり。
いい本は読んだ後に、物事の見方や考え方に影響があるわけですが、
この本は、読む過程でどんどん思考が活性化されていきます。

概要を読んで、あまり意味はなく、読むプロセスそのものに意味がある本です。

例によって内田さんのブログから編集者がまとめたもの。
1章 制度の起源に向かってーーー言語、親族、儀礼、贈与
2章 ニッポン精神分析ーーー平和と安全の国ゆえの精神病理
3章 生き延びる力ーーーコミュニケーションの感度
4章 日本辺境論ーーーこれが日本の生きる道
こんな流れで進むわけです。
出来の悪い中年オヤジとしては読めない漢字や意味が分からない言葉に翻弄されながら分かる範囲で読み込むしかないわけである。
今回のお勉強としては。
両論併記の適否の一定間留保、誤りから学ぶこと、「格差社会」とはいうのは、格差が拡大し、固定化した社会というよりはむしろ、金の全能性が過大評価さらたせいで人間を序列化する基準として金以外のものさしがなくなった社会のことではないのか、現代日本の家庭では「苦痛」が換金性の商品として流通しているのである、人生はミスマッチである、真の愛国者は決して「愛国心」などということばを口にしない、等々である。