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ビジネスに「戦略」なんていらない (新書y)

ビジネスに「戦略」なんていらない (新書y)

出版社 洋泉社
著者 平川 克美
発売日 2008-06

この本に関する書評

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Amazonレビュー

本書には、会社や起業の原点ともいうべき内容が書かれてある。奢りなく、理知的かつ明瞭な文章で色褪せない。
その辺に平積みされているビジネス書やマーケティング論よりもよっぽどためになるのではなかろうか。

戦略主義、利益偏重主義にみられる、日本企業の短絡的な欧米化現象に筆者は異議を唱える。
市場を戦場に見立てて攻略するという手法や、勝ち負けにとらわれずに、もっと本質的に大切なものがあるのではないかと。
「戦略は金で買えるが、動くのは社員である」と言った、会社役員の言葉が印象的であった。
モチベーションや評価・給与の章などは、精神論としてもすばらしい。

本書は明日から実行できるようなハウツー本ではない。また、投資サイドから見た会社を語る本でもない。
しかし、不況や閉塞感を感じる中で、商いの原点に立ち返って企業のあるべき姿を論じた良書である。
サラリーマン、経営者、起業家に広くおすすめしたい。
タイトルは非常にキャッチーで強いが、中身はすごくまっとうな知性を感じさせる本だった。
東京ファイティングキッズからたどってこの本に至ったのだが、正解だった。
筆者の現場で培った経験と、知性が融合した、非常に腹にはまる本だと思った。
自分のように、現場でもがきながら、願わくば自分が成長していて欲しいと祈るだけのような人間でも、この本に素直に共感することができた。それは筆者が現場を多く体験しているビジネスマンだからだろう。
内容は難しいのだが、文章自体はわかりやすく、読みやすい。
こういう知性のあるベテランビジネスマンにお話しを聞く機会って、忙しい生活の中ではなかなか持てないものなので、この本はとても貴重な経験と時間を与えてくれたと思う。
「企業の絶対的な命題は利潤を生み出すこと」「ビジネスとは損得勘定で物事を考えること」に全面的に同意しつつも、経済行為の起源である贈与・交易あるいは交換といった、人と人、人と物との関係性に立ち戻って考える時、いわゆる世に流通している「ビジネス戦略論」が無意識に排除してしまった別の側面が立ち現れるという。現代のグローバリズム的思考の枠組みを脱構築し、原初的ビジネス論へと再構築を試みた意欲的な一冊。誤解を恐れずに言えば、ポスト構造主義的「倹約斉家論」のすすめといった内容となっている。本書はレバレッジ・リーディングではなく、ぜひスローリーディングで味わいたい。
今やビジネスの世界では戦略思考、成果主義が跋扈している。ちょっと違うだろうと思うのだが自分でも上手く整理できなくて、何処がどうだと言えずもどかしい思いをしてきた。

そのようなことに対しても本書を読むうちにヒントが見えてくる。ビジネスにまつわる流行ごとも「誰のためになって」「誰のためにならないか」を見極めていくと、ちょっと違う視野が開けてきそう。

本当に「ビジネスに戦略なんていらない」と言い切れるかどうかわからないし、本書に正解が出ているわけではないが、感性を磨くヒントに溢れているという点で秀逸。
もう一人の方のレヴューに促されて読んでみました。たしかに新鮮な視覚でビジネスを取り上げた作品です。そう投資家的なパースペクティヴでターミノロジーを操りビジネスをしたり顔で説明する行為なんてfad以外の何者でもないのです。そしてfadは時代の変遷と共にいつも変わるというのが永遠の真理なのです。私はこのようなfadとそこに潜むアメリカ的な競争の論理の限定的な効用にはもう辟易しているというのが正直なところです。ビジネスとはもっと多面的で全人格的なプロセスなのです。そこには万能の解なんてのはありません。そして人間はなぜ働きビジネスに関わるのか、それこそ投資家的なパースペクティヴで解明できるものではありません。この作品には答えなるものは呈示されていません。ただ本書の後半は若干ペダンティックでわかりにくなりますね。いというわけで受け手の想像力にその後はすべて任されてしまいます。